2018年9月25日(火)

黒田総裁「最も適切な金融緩和してきた」 出口論退ける

2017/10/31 17:02
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 日銀の黒田東彦総裁は30~31日に開いた金融政策決定会合後の記者会見で日銀総裁に必要な資質について「経済の現実を踏まえつつ、経済や金融に関する理論的な理解が非常に必要だ」と述べた。黒田総裁の任期は2018年4月に切れる。黒田氏の続投も含めて、後任人事の選定が今後本格化する見通しだ。

■総裁の資質「経済の理論的理解と海外人脈」

 日銀総裁の資質について問われた黒田総裁は「何か述べるのは僭越(せんえつ)だ」としながらも、2つの条件を挙げた。「先進国の中央銀行総裁を見ると、経済の理論的な分析能力を常に持っている」として、学術的な素養の重要性を指摘した。

 2点目として国際化が進んでいるため、「国際的なヒューマンネットワーク(人脈)が非常に必要だ」と強調した。続投に関しての質問には回答しなかった。

 任期中に物価安定目標が達成できず、金融緩和の出口に向かえないことの責任を問う質問には「最も適切な金融緩和をしてきた。経済は成長し、物価も徐々に改善している」と反論した。

 欧米が金融緩和の出口に向かうなか、日銀にも出口の議論を求める声があることには「今の時点ではミスリードして、市場にマイナスになってしまう」と時期尚早との認識を示した。

 日銀の上場投資信託(ETF)の保有残高が20兆円を超えていることに関して、「(全体の)3%程度の保有で、現時点では大きなリスクがあるとは考えていない」と強調した。

■「景気は緩やかに拡大。物価は弱めの動き」

 足元の景気について黒田総裁は「所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで緩やかに拡大している」と指摘した。海外経済は緩やかに成長し、輸出は増加基調にある。国内需要では設備投資や個人消費なども堅調に推移している。

 物価に関しては「エネルギー価格上昇の影響を除くと弱めの動きが続いている」と話し、17年度と18年度の物価見通しを下方修正した理由を説明した。9月の全国消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くベースで前年同月比0.7%の上昇にとどまる。

 今後の物価については「需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続ける」として、日銀が目指す2%へ上昇率が高まるとの見方を改めて示した。

 金融政策に関して、黒田総裁は「(物価上昇率が)安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」と強調した。

 メガバンクが大規模な経営合理化を検討しているとの報道が続いている。背景には日銀が導入したマイナス金利政策による運用難がある。これについて黒田総裁は「一般論として、人口減などの構造的な要因に対応するため、IT(情報技術)などを活用して業務の効率化を進めるのは正しいことだ」と述べるにとどめた。

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