2019年4月26日(金)

三菱重工、手痛い「虎の子」火力の不振

2017/10/31 16:30
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三菱重工業が連結売上高の3割を占める「虎の子」、火力発電設備事業の思わぬ不振に見舞われている。同社は31日に発表した2018年3月期の業績予想で、営業利益を従来の2300億円から1800億円に修正。直接の要因は火力の大型案件計上が今期に間に合わないことだが、頭が痛いのは市場の低迷が数年続きそうな様相であることだ。

記者会見する三菱重工業の小口正範CFO

「火力発電事業がかなり厳しい状況にある」

31日の決算記者会見で小口正範・最高財務責任者(CFO)は通期見通しを下方修正した背景について、厳しい見方を示した。ガスタービンなど火力発電設備が含まれるセグメント「パワードメイン」で、「3000億円の大型案件2件が来年度にずれた」(小口CFO)うえ、「市場が低調」と説明した。

同部門の通期の営業利益の見通しは1450億円から1000億円に引き下げた。全体の下方修正の大部分を占めたかっこうだ。

パワードメインの売上高の4分の3を占める火力発電事業は、14年に日立製作所と統合して設立した三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が手がける。足元の年間売上高は約1兆円で、設立当初の計画を4000億円ほど下回る。小口CFOは「想定していた2兆円の事業規模は現実的ではない。どこまで低めに見るか」と語り、事業計画の修正を示唆した。

「長納期化で受注が売上高に計上される時期が後ろずれしている」。パワードメイン長でMHPS社長の安藤健司・三菱重工副社長は6月のパワードメイン事業戦略説明会でこう語っていた。ただ、今回の業績予想修正で、計上時期のズレに加え、受注環境の悪化も明らかになった。

火力発電で競合する独シーメンス幹部は「ガスタービン市場は今後2~3年は苦しい状況が続く」と話す。シーメンスはこうした状況を踏まえ、風力発電を中心とした再生可能エネルギー、工場のデジタル化事業を強化。鉄道車両事業では仏アルストムとの事業統合に踏み切るなど、ポートフォリオの組み替えに力を注ぐ。

一方、三菱重工では火力発電に代わる次の事業の柱は見当たらない。国産ジェット旅客機「MRJ」の開発費増など今後も"持ちだし"の状況が続く。「中長期的には火力市場は復活するはずだ」。小口CFOの言葉からは、火力にすがらざるを得ない苦しい台所事情が透けて見える。

(林英樹)

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