ビジネス環境 日本34位どまり 世銀調査、政府目標遠く
【ワシントン=河浪武史】世界銀行は31日、世界190カ国・地域の起業のしやすさなどを順位付けした2018年ビジネス環境ランキングを発表した。日本の順位は34位と前年から変わらず、安倍政権が掲げる「20年までに先進国で3位」との目標は遠いままだ。起業手続きの簡素化など、もう一段の規制見直しが求められそうだ。
世銀は主に中小ビジネスを後押しする目的で、各国・地域の資金調達環境や電力供給、税制など10項目を分析し、毎年ランキングにまとめている。18年版の1位はニュージーランド、2位がシンガポール、3位はデンマークとなり、上位3カ国はいずれも17年版と同じだった。4位は韓国、5位は香港と、アジア勢の健闘も目立った。
日本は「起業のしやすさ」が106位と大きく出遅れた。手続きが煩雑で登記などに時間がかかる点もマイナス材料となった。「破綻処理」は190カ国・地域中で1位となった。制度の透明性や手続きの簡便さが評価された。一方で大規模な金融緩和にもかかわらず、資金調達は77位にとどまった。税制も68位どまりだった。
安倍政権の経済成長戦略では「世銀のビジネス環境ランキングで先進国中3位」との目標を掲げている。達成時期として目指す20年が近づいているものの、規制改革の出遅れで上位に食い込むのが難しくなっている。