郵船、郵船ロジを完全子会社化へ 公開買い付けを開始
日本郵船は31日、東証1部上場の物流子会社、郵船ロジスティクスの完全子会社化を目指してTOB(株式公開買い付け)を始めると発表した。現在59.61%の株式を保有しており、255億円を投じて残りの全株式の取得を目指す。郵船の主力の海運業は市況の悪化で業績が低迷。陸海空の総合物流を手掛ける主要子会社を取り込んで事業を安定させたい考えだ。
1株当たりの買い付け価格は前日の終値より482円高い1500円とした。11月1日から12月14日まで応募を受け付ける。保有株式と取得予定数が総議決権数の3分の2に満たない場合はTOBを中止する。TOBが成立した場合、郵船ロジは上場廃止になる。
郵船ロジは荷主から荷物を預かり、航空便や貨物船を手配して国内外に輸送する事業を手掛ける。自社で航空機や船舶を持たないため、海運業に比べてリスクが少ない。 郵船は海運市況の悪化を受け、2016年10月に商船三井、川崎汽船とコンテナ船事業の統合を発表。17年7月にコンテナ船事業の新会社を発足させた。