2017年11月19日(日)

アルゼンチン大統領、経済改革案発表 労働や年金も対象に

中南米
2017/10/31 6:47
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 【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチンのマクリ大統領は30日、新たな経済改革案を発表した。対象は労働法や年金、税制など多岐にわたっており、左派政権下で低下していた国際競争力や財政の持続可能性の向上に力を入れる。国民からの反発が予想されるテーマだが、同氏が率いる与党が選挙で大勝したことで今後の議会運営を強気に進められると判断した。

30日、経済改革案を発表するアルゼンチンのマクリ大統領(ブエノスアイレス)=ロイター

 マクリ氏はブエノスアイレスで開かれたイベントに登壇し、与野党議員や司法関係者、経済界、労働組合などの代表者らを前に「我々は改革を前に進めなければならない」と演説した。労働者に有利な裁判制度の見直しや持続可能な年金制度の構築、複雑な税制度の改正などに言及した。

 2015年12月に左派政権からの政権交代で大統領に就任したマクリ氏は公共料金への補助金の削減や為替取引の規制撤廃などを進めた。一方、労働組合からの反発が大きい労働や年金制度の改革についてはこれまで正面から採り上げることを避けてきた。

 今回、マクリ氏が強気の姿勢を見せるのは、22日の議会選で改革推進を掲げる与党が勝利したからだ。マクリ氏率いる与党は上院・下院とも過半数に達していないものの、野党の左派勢力の弱体化は明白。マクリ氏は議会に改革案を提出すると明言しており、今後、改革に前向きな野党議員の取り込みを進める。

 同国のレドラド元中銀総裁は日本経済新聞の取材に対し「マクリ政権は左派政権下で生じた社会のゆがみをなくそうとしている」と評価する。改革の推進により民間企業の競争力が増すとし、「農業やエネルギー、通信や銀行、建設など様々な分野で投資の機会が生まれる」と指摘した。

 米格付け大手S&Pグローバルは30日、アルゼンチンの長期債務格付けを「Bプラス」に1段階格上げした。依然として「投機的」と分類される水準ながら、「より高い投資と良い経済政策の見通しが適切に続く」としている。

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