2017年11月24日(金)

北陸電、苦渋の選択 値上げ検討 原発停止、火力修繕費重く

北陸
2017/10/31 2:00
保存
共有
印刷
その他

 北陸電力は30日、1980年のオイルショック以来となる電気料金の値上げを検討すると発表した。志賀原子力発電所(石川県志賀町)の再稼働の見通しがたたず、設備の修繕費などは今後も増加の見込み。コスト削減にも手詰まり感が出る中、料金値上げという苦渋の決断は、同社の置かれた厳しい現状を浮き彫りにした。

金井社長は記者会見で「値上げ幅はできるだけ早期に発表する」と語った

 「一生懸命、経営効率化に取り組んできた。お客様や株主にも現状を理解してもらい、一定程度の負担をお願いしたい」。記者会見した金井豊社長は言葉を絞り出した。

 2018年4月の契約更新から料金値上げとなるのは、大口の契約者である大規模な工場、店舗、事業所とオール電化の一般家庭。志賀原発の停止に伴う燃料代の増加の影響を受けやすいことなどが理由と説明した。

 値上げ幅について具体的な検討はこれからとしたが、震災後、既に値上げした他の電力会社よりは抑える方向で検討していることを示唆した。例えば四国電力は企業向け料金を13年7月に平均17.50%引き上げた(その後値上げ幅を見直し)。北陸電力は値上げ対象に大規模工場などが含まれることから「企業立地への影響については非常に心配している。できるだけ影響がないように努めていきたい」(金井社長)とした。

 同社によると18年3月期の連結最終損益は30億円の赤字(前期は6億円の赤字)と、2期連続の赤字を見込む。このため初めて通期で無配となる見通しだ。

 今後の収支については、火力発電所の高稼働・高経年化で修繕費が増えるのに加え、18年11月に予定される液化天然ガス(LNG)火力発電所の運転開始に伴う減価償却費負担の増加なども見込まれるとした。

 同社は燃料調達コストの削減などで17年3月期には震災前に比べて320億円の経営効率化を果たした。4月には金井社長をトップとする「経営基盤強化委員会」を立ち上げ、役員報酬の見直しなどで20億円を上積みした。従業員の年収水準の引き下げにも取り組む方針を示しているが、「(コスト削減は)来るところまで来ている」との声も漏れる。

 一方で、電力小売りの自由化以降は域外契約の獲得にも力を入れ、首都圏での家庭向け料金メニュー「北陸かがやき契約」などの低圧契約は約3000件と「順調に伸びている」(金井社長)。ただ、同社長は「まだまだ抜本的な経営状況の改善には結びついていないのが現状」としており、今後は稼ぐ力をどう高めるかが問われる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報