異常検知30分で第1報 南海トラフ地震関連情報

2017/10/30 20:54
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気象庁は30日、東海地震の観測データを検討する「地震防災対策強化地域判定会」(会長・平田直・東大地震研究所教授)の定例会合を開催した。今後は東海地震の予知はせず、南海トラフ巨大地震につながるリスクを評価する検討会と一体化する。同庁は11月1日正午から運用を開始、最短で異常発生から30分程度で第1報を出し、警戒を呼びかける。

東海地震の判定会は早ければ発生の数日前に予知できることを前提とする大規模地震対策特別措置法(大震法)の施行を受け、1979年に発足。毎月1回定例会合を開いてきたが、単独での開催は今回で最後となる。

今後、同時に開催する「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は会長と委員5人が全員兼任で実質的に移行した形だ。今後、判定会として東海地震に関する予知はせず、政府も大震法に基づく強制力のある「警戒宣言」は出さないことになる。

その代わりに発信するのが「南海トラフ地震関連情報」。南海トラフ沿いでマグニチュード(M)7以上の地震が発生した場合や東海地域に設置されたひずみ計などで異常現象を観測した場合、M9クラスの南海トラフ巨大地震が発生するか調査を開始した段階で第1報を出す。

その後、評価検討会を開催し、収集した情報から「平常時と比べて相対的に発生するリスクが高まった」と評価した場合などに第2報を発信する。最短で異常現象の発生から2時間後程度を想定している。

第2報では警戒すべき地域を具体的に挙げて「巨大地震は3日以内の可能性がより高い」などの文言で見通しを示す。

臨時情報で大地震の可能性が示された場合、内閣府は関係省庁会議を開いて被害想定地域の住民に避難経路を確認することなどを呼びかける。

こうした対応は政府が東海地震の予知を前提にした大震法に基づく防災対策を見直すことを受け、暫定的な措置として運用する。

ただ臨時情報を出しても地震がいつ発生するかは分からない。実際に避難させるかどうかの判断は自治体に委ねられ、混乱を招く恐れがある。

評価検討会の会長も兼務する平田会長は30日、単独開催が最後となった判定会後の記者会見で「被害を最小限に減らすべく、適切な情報を発信できるよう検討していきたい」と述べた。

南海トラフは静岡県沖の駿河湾から九州沖にかけて約700キロ続く海底の溝で、歴史上巨大地震が繰り返し起きている。今後30年間で発生する確率は70%程度とされ、政府は最大で死者は30万人以上と想定している。

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