2019年9月20日(金)

かさ上げ後初めて「流れ橋」に、京都の上津屋橋

2017/10/30 18:00
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日経コンストラクション

京都府の木津川に架かる木橋、上津屋(こうづや)橋の上部構造が2017年10月22日午後7時30分ごろ、台風21号による増水で流された。もともと増水時には上部構造が浮き上がる「流れ橋」だが、これまであまりに頻繁に流されていたので、かさ上げするなど橋の構造を改良して16年3月に架け替えていた。

上部構造が流されたのは架け替え後、初めて。流された木製の上部構造は、ワイヤで橋脚につなぎとめてあるので再利用できる。杭や梁をコンクリート構造に変更した下部構造にも大きな損傷は見られないことから、想定通りの挙動と言える。

水位が下がって橋脚が現れた上津屋橋。橋脚の左側にワイヤで係留された上部構造が見える。10月24日に撮影(写真:京都府山城北土木事務所)

水位が下がって橋脚が現れた上津屋橋。橋脚の左側にワイヤで係留された上部構造が見える。10月24日に撮影(写真:京都府山城北土木事務所)

上津屋橋は八幡(やわた)市と久御山(くみやま)町を結ぶ長さ356.5mの歩行者専用の橋。上部構造は橋脚に載せただけの構造にしてあり、増水時に流れることで橋全体の損傷を軽減させる。上部構造は1953年の架設以来、16年の架け替えまでに21回流出。2011年からは4年連続で流されていた。

前回の架け替えに当たって、橋脚を75cmかさ上げし、上部構造が流出しにくいように改良した。さらに、橋脚を73基から40基に減らし、径間を広げることで漂流物が引っ掛かりにくくした。上部構造は床木や桁木などをボルトで一体化した「ユニット」にし、流失を防いで再利用できるようそれぞれ橋脚にワイヤでつないだ。

改良して架け替えた後の上津屋橋(写真:京都府山城北土木事務所)

改良して架け替えた後の上津屋橋(写真:京都府山城北土木事務所)

上部構造が流された時刻に、橋の上流にある国土交通省の飯岡(いのおか)水位観測所で3m42cmの水位を記録している。この時点で上津屋橋では水位が橋面を超えていたとみられる。翌23日午後2時過ぎには水位が5m8cmに達した。

水没した上津屋橋。撮影は上部構造の流出翌日の10月23日(写真:京都府山城北土木事務所)

水没した上津屋橋。撮影は上部構造の流出翌日の10月23日(写真:京都府山城北土木事務所)

16年9月の増水時には飯岡水位観測所で3m18cmを記録したが、橋面にしぶきが掛かる程度で、上部構造は流されなかった。一方、改良前の1992年には2m10cmの水位で流出した。

橋を管理する京都府山城北土木事務所によると、10月24日時点で復旧のめどは立っていない。上部構造を回収して点検し、必要な箇所を補修して架け直す。復旧費用は未定。

(フリーライター 山崎一邦)

[日経コンストラクションWeb版 2017年10月27日掲載]

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