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データ生かせるかどうかはトップと現場次第
対談 岩政大樹(サッカー元日本代表)×西内啓氏(統計家)

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2017/11/1 6:30
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 データ分析を進めていけば、サッカーをもっと深く掘り下げることができるのではないか。元サッカー日本代表CBの岩政大樹が今回は、サッカーファンで「遠藤保仁がいればチームの勝ち点は117%になる」の著者でもある統計家の西内啓氏と、サッカーにおける統計学の生かし方を語り合った。

 岩政 データを活用するときに気をつけなくてはならないことは何ですか。

 西内 当たり前のことですが、まず、ちゃんとしたデータを取らなくてはなりません。力不足の分析家だと、手法としては正しいけれど、その分析結果を見ても誰も面白くないというものを出してきます。それでは役立ちません。日本企業によくあるのは「意思決定者の壁」です。データ分析によって、これまで考えていなかったようなことが出てくると、何かを変えなくてはなりません。そこを思い切ってやれる人がトップにいないと何も改善しません。さらに、現場が動いてくれなくてはなりません。いかに現場を動かすかが大切です。データ分析によって、どれくらいいいことが行われたかという評価を含めてデータが取れると、いいサイクルで回っているといえます。スポーツ界でよくあるのは分析家と意思決定者の衝突、意思決定者と現場の衝突ではないでしょうか。

西内氏(左)とサッカーにおける統計学の生かし方を語り合った

西内氏(左)とサッカーにおける統計学の生かし方を語り合った

 岩政 新しい取り組みをするのは面倒というのがあるし、データでものを語られると、心がない感じに聞こえてしまう場合があります。そこをうまい表現で現場に伝えて、プレーに落とし込めたらいいのですが……。「この相手は有効なクロスがほとんど入らない」という分析結果があるのに、いいクロスが1本入って点を決められ負けてしまうということがあります。選手によっては「何だよ、違うじゃないか」というでしょう。また、相手のサイド攻撃を封じる必要があるという分析結果が出た場合、サイドのスペースを埋めておけばいいというものではなくて、そこにボールを運ばせないことも大切です。ある現象の一つ前の段階で処方する必要があります。

 西内 一つ前の段階がどうなっているかを調べる場合も映像でチェックするより、データを出した方が手間がかかりません。クロスを警戒しなければならないときに、その直前のプレーは誰のどういうものなのかをデータで取ることができます。このエリアからの誰のパスかということがわかるので、このパスコースを切るのが有効ということになります。

日本人選手は決定力がない?

 岩政 解説者がよくいう常識が、データで見ると実は違うというものはありませんか。

 西内 「日本人選手は決定力がない」といいますよね。比較すると「ブラジル人選手は決定力がある」といいます。でも、ブラジル人はものすごくたくさんシュートを打っているので、決まる確率は10%ということがあります。日本人のトップ選手は25%ほど決めます。確率は日本人の方が高いんです。そう考えると「決定力がない」という表現は間違っています。決定力という言葉を修正する必要があるでしょう。「もっとガンガン打て」といった方が有効ではないでしょうか。

 岩政 「決定力がない」といわれると、丁寧にプレーしようとして判断が遅れてしまうことがあるかもしれません。僕たちも「むやみに打つな」といってしまいがちですからね。ところで、ビジネス界ではいつごろからデータが重んじられるようになったのですか。

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