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中国「独身の日」 アリババの販売2.5兆円超か

11月11日の「独身の日」は、中国のインターネット通販の最大の商戦日だ。セールの規模は毎年拡大しており、最大手のアリババ集団や2位の京東集団は中国国内にとどまらず海外の消費者にも目を向けている。今年はアリババだけで24時間の取引額が前年比24%増の1500億元(約2兆5000億円)に上ると市場ではみられている。

アリババのセール、14万ブランドが参加

11月11日の「独身の日」は年を追うごとに盛況さが増している(2016年のイベント会場)

アリババの独身の日セールは世界最大のショッピングイベントだ。初めてセールを仕掛けた2009年11月11日の取引額は1億元に満たなかったが、7年後の16年には1207億元に達した。米国の感謝祭明けのネット通販のセール日「サイバーマンデー」の5倍に当たる規模だ。今年はアリババのセールに参加する企業・ブランドが14万以上と、昨年と比べ4割増加。このうち海外勢が昨年の5.5倍の6万と大きく増える。アリババ傘下の菜鳥網絡など中国の物流業界は、総勢300万人体制で配送作業にあたるという。

高級ブランドを身にまとったモデルがランウェイをさっそうと歩く――。アリババが開く「See Now Buy Now(今見てすぐ買う)」をテーマとするファッションショーにはラルフ・ローレンやエスティ・ローダー、フルラといった国際的なブランドが参加。消費者がアリババ関連のメディアで放映されるファッションショーを見ながら、買いたい衣服をスマートフォンで簡単に注文できる仕組みを導入する。

アリババのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)、クリス・タン氏は「『今見てすぐ買う』ショーは単に商品を売る場所ではなく、ブランドを育てる場でもある」と語っている。

このアリババを追いかけるのがネット通販サイトのJDドットコムを手掛ける京東集団。中国の調査会社、艾媒諮詢によると、昨年の独身の日セールの全取引額の71%をアリババが占め、京東のシェアは20%にとどまった。アリババとの差を埋めるため、京東は中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント)と米小売り大手ウォルマート・ストアーズと強力なタッグを組むことにした。

ネットの販促に利用者が9億人を超えるテンセントの対話アプリ「微信(ウィーチャット)」のデータを使ったり、ウォルマートの中国400店舗の在庫を京東の倉庫のように活用したりするという。株式市場からは「京東との競争でアリババの利益率が低下するかもしれない」(証券会社のメイバンク・キムエン)との指摘も出ている。

東南アジアにも展開

中国国内でパイを奪い合うアリババと京東は、中国本土以外の地域にも独身の日を広げるための布石を打っている。京東は11月1~14日の期間、香港とマカオ、台湾で商品の郵送料を無料にする。アリババは今年初めて、中国の100以上のブランドを海外の消費者に提供する。さらに傘下の東南アジアのネット通販大手ラザダを使い、11月11日から12月12日までセールを繰り広げるという。東南アジアに多い中国系の住民の需要を取り込む狙いだ。

米株式市場に上場するアリババ株は年初から9割上昇し、京東は5割近く上げている。独身の日商戦の行方には海外の投資家も熱い視線を注いでいる。

(NQN香港=柘植康文)

「マーケットの現場から」は今回で終了します。

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