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ツイッター、復調は本物か 黒字目前も続く難路

米ツイッターが26日発表した2017年7~9月期決算は2109万ドル(約24億円)の最終赤字だった。前年に1億ドル超あった赤字額が大幅に縮小。ここまで黒字に近づいたのは4年ぶりだ。利用者数の伸びも回復傾向で、株式市場では13年の上場時から続く赤字脱却への期待も出てきた。復調は本物なのか。

「経営戦略が機能している」。ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は26日の電話会見でこう語った。赤字幅の縮小を投資家も好感し、同日の米株式市場でツイッター株は前日比18%の大幅高だった。

7~9月の売上高は前年同期比4%減の5億8963万ドル。減収は3四半期連続だが、主に営業効率の悪い一部広告商品の打ち切りによるもの。伸び悩みが顕著だった利用者数は9月末時点で前年同期比4%増え、特に毎日利用する人は14%も増えた。その原動力のひとつが力を入れてきた動画による集客だ。

ツイッターの利用者数の伸び悩みが特に目立ち始めたのは15年ごろから。後発の米スナップなどに利用者が流れたことも影響した。打開策が「テレビ」への脱皮だった。世界の誰かが発信した情報を、誰でも手軽に見ることができるのがツイッターの特徴。アンソニー・ノト最高執行責任者(COO)は自社のサービスを「無料のテレビ放送の延長にある存在」と説明する。

この考えの背景にあるのが日本での成功だ。ツイッターは売上高の15%を日本で稼いでいる。7~9月には世界の売上高が伸び悩むなか、日本は23%の増収だった。日本での好調の理由について、不特定多数向けのテレビ番組を楽しむ日本人と、話題共有型のツイッターのサービスとの親和性が高いためだとする関係者は多い。

多くの人の関心を引く動画を流せばサイトに人が集まるだけでなく、サイト上の口コミ効果で情報が拡散し利用者がさらに増える効果も期待できる。16年には米プロフットボールリーグ(NFL)の試合をネットで世界に放送する権利を取得。この秋にはニュース動画の配信も始めた。

ただ動画配信強化はネット大手が一斉に取り組むテーマだ。人気コンテンツを巡る争奪戦も激化しており、NFLの放映権は17年にアマゾン・ドット・コムに奪われた。落札額は前年の5倍に跳ね上がったとの報道もある。競合するスナップやフェイスブックもサイトで流す動画の獲得に動いている。

ツイッターの1年半前に上場したフェイスブックは半年で黒字化し一気に利益を伸ばした。時価総額も上場直後の5倍の46兆円に拡大した。上場後ずっと赤字で時価総額も2兆円弱に低迷するツイッターの出遅れ感はあきらかだ。資金力を付けたライバルと同じ土俵で戦って勝ち目はあるのか。黒字の壁を突破できたとしても本格成長への道は平たんではない。

(シリコンバレー=兼松雄一郎)

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