両陛下、九州北部豪雨の被災者お見舞い

2017/10/27 18:39
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天皇、皇后両陛下は27日、7月の九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県朝倉市と大分県日田市を訪問された。家族を失った被災者らと面会し、「大変でしたね」「お体はいかがですか」といたわりの言葉を掛けられた。

九州北部豪雨の被災者をお見舞いする天皇、皇后両陛下(27日午後、福岡県朝倉市)=代表撮影

両陛下は27日午後、朝倉市役所杷木支所で小川洋知事から被災状況を聞き取った後、被災者6人と面会。自宅が流木に押しつぶされ、妻(当時63)と娘(同26)、孫(同1)の3人を亡くした同市の農業、渕上洋さん(65)は娘のおなかに赤ちゃんがいたことなどを話した。

陛下は「本当に残念なことでしたね」と優しく声をかけ、皇后さまは助かった渕上さんの母親のことも気遣われていた。

陛下は最後に「それぞれ今後よい方向に向かうよう尽力されることを切に願っています」と述べられた。

その後、日田市役所を訪れ、被災者5人と面会された。九州北部豪雨の死者・行方不明者は、福岡、大分両県で計41人。家屋被害は全半壊や浸水など約3千棟に上った。両陛下は移動中の高速道路で、家屋が土砂で埋まった被災現場を速度を落として車窓から視察された。

  

■多くの人と接する形式を


 福岡県朝倉市、大分県日田市の豪雨被災地での天皇、皇后両陛下のお見舞いは、テーブルを囲んで5、6人の被災者代表と懇談する形式がとられた。昨年3月、原発事故で全村避難を強いられた福島県葛尾村の被災者見舞いからこの形式が目立つようになっている。
 数人だけの座談形式は高齢の両陛下の負担軽減の意味もあるのだろう。立ち話ではなく、腰を下ろしてじっくり語り合うことで、両陛下と被災者の思いがより通じやすくなった。両陛下の言葉に感極まる被災者の姿は胸に迫るものがある。
 半面、限られた数人の代表者のみで、大部分の被災者はこの感情を共有できない。対話はなくとも、両陛下に近くで接し、その姿を見るだけで、この国から見捨てられていないとの思いを深くする被災者もいるだろう。
 はるばる被災地まで足を運んだ両陛下の思いを、より多くの人たちが受け取る形がないものかとも思う。(編集委員 井上亮)
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