米ドラッグストアが保険大手を買収か、7兆円規模
米紙報道
【ニューヨーク=平野麻理子】米ドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスが米医療保険大手のエトナの買収交渉を進めていることが26日わかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が同日夕に報じた。買収規模は660億ドル(約7兆5000億円)程度となる見込み。薬局と医療保険の一体化でスケールメリットを高め、コスト削減を目指す狙いがありそうだ。
報道を受け、26日の市場でエトナ株は前日比12%高い178ドルで取引を終えた。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、CVS側はエトナに対し、1株あたり200ドルを超える水準で買収を提案しているという。
CVSは、米国でウォルグリーン・ブーツ・アライアンスと並ぶ二大ドラッグストアとして知られる。店舗では食品や生活必需品の販売とともに、処方薬の調剤も受け付ける。2007年には薬剤の給付を管理するケアマークを傘下に収め、処方薬の販売を拡大してきた。
一方、米国の医療保険業界3位のエトナはもともと15年7月に、同業4位のヒューマナを370億ドルで買収すると発表していた。しかし、市場の寡占化が進み、消費者の不利益につながるとして当局から合併の承認を得られず、今年合併計画の破棄で合意した。
医療保険業界では、最大手のユナイテッドヘルス・グループが薬剤給付管理会社をグループ内に持つ。給付管理会社は、規模が大きいほど製薬会社への価格交渉力が増すとされる。CVSによるエトナ買収が実現すれば、医薬品のコスト圧縮が期待される。