フジッコ、ヨーグルト5割増産へ 北海道工場を拡張
健康志向、顧客層広げる

2017/10/26 23:30
保存
共有
印刷
その他

フジッコは機能性を強調したヨーグルトの生産能力を増強する。「カスピ海ヨーグルト」を製造する北海道工場(北海道千歳市)を拡張し、生産能力を2018年夏までに5割増やす。同社は昆布・豆製品が主力だが、60代以上の顧客が多く大幅な消費拡大は見込みにくい。健康志向をとらえ、乳業大手などがしのぎを削る機能性ヨーグルトに重点投資する。

「カスピ海ヨーグルト」は脂肪ゼロタイプが成長をけん引

「カスピ海ヨーグルト」は脂肪ゼロタイプが成長をけん引

北海道工場の隣接地に取得した約1万3千平方メートルの敷地を使って拡張し、主力2商品「プレーン」「脂肪ゼロ」の生産ラインや冷蔵庫、発酵タンクを導入する。土地取得とあわせて15億円強を投資する。

神戸市に本社を置くフジッコの16年度の売上高は15年度比4%増の608億円。うちヨーグルト事業は62億円と27%増えた。18年度は80億円とさらに3割増やす計画だ。

カスピ海ヨーグルトは現在、武庫川女子大国際健康開発研究所長の家森幸男氏が1986年にジョージア(グルジア)から持ち帰ったのをきっかけに、同社が漬物や納豆の発酵技術を使い02年に手作り用の種菌を商品化した。クレモリス菌FC株という乳酸菌を使い、粘り気があり酸味が少ない。免疫効果を高める効果があるとされ、学会での発表を重ねている。

粘り気が足りないとして15年11月から3カ月間自主的に販売を休止したが、量販店320店で試食会を開いた効果もあり、再開直後から売れ行きは前年を上回り高い伸びが続く。5~8月には「受験にねばり勝つ」などと語呂合わせした広告を展開。クックパッドと組み、料理研究家によるヨーグルトを使ったレシピも紹介している。

通販でサプリメントタイプの販売が伸びているほか、百貨店では今春にドリンクタイプを売り出した。「販路と品ぞろえを拡大し、販売の上積みを狙う」(紀井孝之ブランドマネジャー)

フジッコは昆布・豆製品が売上高の約5割を占めるが、顧客層が高齢化し、若者を中心に和食離れが進んでいる。16年度の昆布製品の売上高は15年度比0.3%減。煮豆など一部製品の工程は人手が必要で製造原価がかさむ。これまでだし・つゆ、一部デザートなどから撤退する一方、40代などの消費が広がり、生産設備が全自動で利益率も高いヨーグルトを総菜と並ぶ重点投資事業に位置づけてきた。

富士経済(東京・中央)によると16年のヨーグルト市場規模は15年比5%増の4770億円の見込み。うち乳酸菌などを使って機能性を訴求する商品は3割強を占め、同社は「17年も伸びが続く」とみる。上位メーカーの明治や森永乳業は同分野を強化している。

■乳酸菌製品、多彩に 京漬物の西利や西山酒造場

健康によいとされる菌を摂取する「菌活」が広がる中、フジッコ以外の関西企業も乳酸菌製品ビジネスを強化している。漬物や酒造で蓄積した発酵・培養技術が強みだ。

京漬物の西利(京都市)は乳酸菌入り総菜ブランド「発酵生活」を発売した。京都特産の漬物「すぐき」から発見されたラブレ乳酸菌と野菜を組み合わせた。2月に開業した高島屋京都店(同)の専門店では「20~30代女性に顧客が広がっている」。

日本酒「小鼓」を製造する西山酒造場(兵庫県丹波市)は地元の酪農農業協同組合と開発した「甘酒ヨーグルト」を2011年から販売している。砂糖を入れず、米を麹菌で糖化した米麹、米、水のみで甘みを出した。

医薬品企業では日東薬品工業(京都府向日市)がロッテの「乳酸菌ショコラ」に原料の乳酸菌を供給しており、他の食品企業からも引き合いが強い。6月には製品ブランド「ノステル」を立ち上げ、乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌など7種類をそろえた。「食品原料に使う際に『ノステル入り』などと表記してもらいブランド力を高めたい」(北尾浩平常務)としている。

(杉浦恵里、浦崎健人)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]