ユーロ安・債券高進む ECB決定も「緩和的環境続く」
【ロンドン=篠崎健太】欧州中央銀行(ECB)による量的金融緩和の縮小方針の発表を受け、ロンドン外国為替市場ではユーロに売りが膨らんだ。一時1ユーロ=1.1740ドル近辺と、政策発表前の1.18ドル台前半から水準を切り下げた。ECBは2018年以降の資産購入規模の削減を決めた一方、償還金の再投資を当面続けると表明。緩和的な環境が続くと見たユーロ売りが優勢だった。
債券市場ではユーロ圏の国債に買いが広がった。ドイツの10年物国債の利回りは0.47%前後から0.44%程度まで低下(債券価格は上昇)した。
ECBは資産購入の終了時期を17年末から18年9月まで延ばし、月間の購入量は600億ユーロ(約8兆円)から300億ユーロに減らす。一方で必要なら再度の増額や期間延長も検討するとした。市場では「緩和策の縮小は非常にゆっくり進められそうだ」(フィデリティ・インターナショナルのグローバルエコノミスト、アンナ・ストプニツカ氏)との声が出た。