2019年3月26日(火)

国交省、若手34人がタブーなき直言 政策立案「スピード感遅い」

2017/10/26 16:54
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国土交通省は26日、「政策ベンチャー2030」プロジェクトの発足式を開いた。2030年に幹部となる若手官僚34人を選び、人口減少で先行きが不透明な中で公共投資や都市政策などについて大胆な視点で課題を話しあう。30代の若手からは「後追いの仕事ばかりで政策展開のスピード感が遅い」と、これまでの国交省の仕事を疑問視する声もあった。

このプロジェクトは20年の東京五輪・パラリンピック後の日本を見据え、国交省の政策を聖域なく見直す狙いがある。9月末から若手を公募し、67人の応募者から34人にしぼり込んだ。平均年齢は35歳。石井啓一国交相は会議の冒頭で「日本の未来についてタブーなく、大胆かつ柔軟に議論してほしい」とあいさつした。18年1月までにテーマを定め、同6月ごろに具体策を提言する。

大臣や事務次官らを前にした意見交換会では6人の若手が発言した。多くが緊張感に満ちながら優等生のような抱負を述べたが、早速、居並ぶ幹部を前に「タブーなき」指摘もあった。

「日本は世界の動きから10~40年遅れている」。観光庁で働く入省13年目の福島教郷・課長補佐(35)はこう言い放った。

過去の職務経験を踏まえ、「空港に民間経営のノウハウをいかすコンセッションはイギリスが日本の29年前に始めた。格安航空会社(LCC)の本格参入も米国は41年前」と指摘。そのうえで「後追い型から先取り型の組織にするには、前例のない仕事やリスクに国交省の資源を投入できるかがポイント」と述べた。

「今やっていることで捨てることもある」との意見も出た。国交省がまとめた18年度予算の公共事業の概算要求は、前の年度に比べ16%増の6兆238億円。人口減で使わない道路や家屋が増えているにもかかわらず、予算は従来通りに膨張するいっぽうだ。

片や今回のターゲットとなる30年には全国の空き家率が3割近くになるとの試算がある。若手から見れば、過去の都市政策などの責任を問いたくなる気持ちが当然あるだろう。日本の未来のかたちにあわせ、国交省の予算も適材適所に再配分しないといけない。

若手による政策の未来予想図は、経済産業省が今年5月に先行してまとめている。霞が関には国交省の取り組みについて「二番煎じ」との冷めた見方がある。ただ国交省幹部は「地方の道路や港湾など、実際の現場をもっているのが我々の強み。現場の声を聞きながら、大胆な提言を考えてほしい」との期待を寄せる。時に過去の上司の成功体験を否定しつつ、真に日本の未来を考えられるかが最大の課題だ。

(馬場燃)

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