2019年7月19日(金)

いじめ認知32万3千件 過去最多、小学校で急増

2017/10/26 17:02
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全国の小中高校と特別支援学校で2016年度に把握したいじめが過去最多の32万3808件で、前年度より9万8676件(44%)増えたことが26日、文部科学省の問題行動調査でわかった。特に小学校で増えた。積極的に認知する姿勢が学校現場に浸透したほか、同省がささいなけんかにも注目して早期発見に努めるよう促したことも増加の要因となった。

千葉県柏市教委は対話アプリのチャット機能で相談を受け付けている(画面はサンプル)

千葉県柏市教委は対話アプリのチャット機能で相談を受け付けている(画面はサンプル)

小学校の認知件数は23万7921件で全体の7割を占めた。前年度より57%増えており、増加率は中学校(20%)や高校(2%)を大幅に上回った。同省は16年度から、けんかやふざけ合いに見える行為であっても、教員の判断で「いじめ」と捉えるよう求めている。そのため目に見えるけんかなどが起きやすい小学校で認知件数が大幅に増加した。

文科省児童生徒課は「積極的に認知し、早めに対応する方針が浸透した」とみる。

小学校では暴力行為も2万2847件と前年度比34%増えた。文科省はいじめ認知の姿勢が浸透するなか、暴力行為についても「教員が抱え込まず報告するようになった」と分析する。「感情のコントロールができない子供が増えた」との声も多かったという。

千人あたりの認知件数は最多の京都府では96件、最少の香川県では5件と19倍の差があった。いじめを認知した学校の割合は68%。前年度より6ポイント増えたが、同省は「残りの3割は『いじめゼロ』というのは多すぎる」と指摘する。

こうした地域に対し、同省はさらなる認知を促す。認知件数がすでに多い地域については「命の大切さを教えるなど、今度は予防にも力を入れてほしい」(同担当者)と要求する。

いじめ問題に詳しい龍谷大の松浦善満教授は認知件数増について「いじめ自殺事件や福島原発事故の被災児童が転校先の小学校でいじめにあった事件の報道などで教委や学校の意識が高まった」と分析する。

対策については「スクールカウンセラーなどの配置に加え、教師の時間的余裕を確保して、いつでも安心して相談できる環境を整えることが大事だ」と話す。

暴力件数の増加については松浦教授は「貧困状態にある家族やひとり親家庭の増加などで養育環境が悪化し、子供のストレスが増えているのかもしれない」としている。

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