2017年11月19日(日)

首相「賃上げ3%期待」表明へ 26日夕の諮問会議

経済
政治
2017/10/26 13:30
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 安倍晋三首相は26日、来年の春季労使交渉をめぐり「3%の賃上げ」への期待を表明する。同日夕の経済財政諮問会議で経済界に伝える。税制改正や生産性革命などで、政府が環境整備を進める考えも示す。経済の好循環を実現する狙い。首相による事実上の賃上げ要請は、これで5年連続。労使が話し合う賃上げ水準について、具体的な数値をあげるのは異例だ。

首相官邸に入る安倍首相(26日午前)

首相官邸に入る安倍首相(26日午前)

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、金融緩和や積極的な財政支出で企業収益を拡大し、賃上げにつなげる好循環を目指している。連合が集計した2017年の定期昇給分を含めた賃上げ率は1.98%。2.2%だった15年から2年連続で落ちており、賃上げの勢いに陰りが見えていた。

 このため、首相は26日夕の諮問会議で民間議員からの提言を受ける形で、同会議に出席する榊原定征経団連会長らに3%の賃上げへの期待を示す。3%は基本給を一律に底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)をあわせた水準とし、具体的な内訳には触れない。

 「期待」は事実上の賃上げ要請といえ、第2次安倍政権発足後、5年連続になる。昨年の賃上げ要請は「少なくとも前年並み」との表現にとどめ、具体的な数字には言及していなかった。

 合わせて示す政府の支援策は、賃上げに積極的な企業を税制面で優遇する賃上げ促進税制の延長・拡大が柱になる見通しだ。年末までに与党の税制調査会で議論し、具体的な設計を詰める。人手不足が深刻化するなか、中小企業へのIT(情報技術)の導入などといった「生産性革命」に関する予算も計上し、企業の収益環境の改善も後押しする。

 政権が賃上げに言及することには「官製春闘」との批判がつきまとう。経済界には基本給を一律に底上げするベアの実施に慎重な意見が根強く、首相の事実上の要請がそのまま反映されるとは限らない。

 連合は3年連続で「2%程度のベア」との要求にとどめている。年齢に応じて給料が上がる定期昇給分を含め、4%程度の賃上げを経営者側に求めている。

 首相が事実上の賃上げを求める背景には、19年10月に予定する消費増税も念頭にある。首相は今回の衆院選で、消費税の使途を変更して教育無償化など2兆円程度の政策パッケージをまとめる考えを表明した。消費税を8%から10%に引き上げることが前提になる。消費増税は個人消費に影響するため、賃上げを通じて家計所得を引き上げ、政権の最大の課題であるデフレ脱却につなげる考えだ。

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