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あおり運転、明日は我が身 昨年全国で7千件
大阪の9割、高速で発生

関西
社会
2017/10/25 23:49
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 東名高速道路で死亡事故を誘発した疑いで男が逮捕された事件をきっかけに、危険な運転に対する警戒がドライバーの間に広がっている。猛スピードで前方との車間距離を詰めるといった「あおり運転」は各地で目立ち、昨年1年間で7千件以上が摘発された。運転中のトラブルを防ぐには、威嚇された際の適切な対処法を身につけるだけでなく、自らも怒りを制御する心掛けが求められるようだ。

 「身の危険を感じ、ぞっとした」。大阪府の男性会社員(61)は数年前、府内の一般道で経験したトラブルを青ざめた表情で振り返る。男性が車線変更したところ、後続車が至近距離まで接近し、前方に回り込んで急停止した。

 直後に車内からバールを手にした男が現れ、運転席に座っていた男性を大声で威嚇。「攻撃されたら助からないと思い、必死に謝罪した」という。

 神奈川県大井町の東名高速道路で6月、ワゴン車が大型トラックに追突され、夫婦が死亡した。県警はパーキングエリアで夫から駐車位置を巡って注意された男が逆上、夫婦のワゴン車を追い掛け、進路を塞ぐなどの妨害行為を繰り返したとみて捜査。男を今月、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの疑いで逮捕した。

 事故をきっかけに、あおり運転といった威嚇行為に対する社会の関心は急速に高まった。警察庁によると、道交法は、急ブレーキをかけた際に前方の車を回避できるだけの車間距離を取るよう求めているが、かねてルールを順守しないケースは少なくない。

 昨年、十分な車間距離を取らなかったとして摘発されたドライバーは延べ7625人。大阪府警によると、府内では高速道路上での摘発が9割以上を占め、担当者は「走行する車両が少なく、速度を出しやすい郊外の高速道路では、あおり運転が起きやすい」と指摘する。

 東名高速の事故を受け、府警は今月下旬、危険な割り込みや車間距離を取らないといったあおり運転について、積極的に取り締まるよう府内65署などに通知した。

 11月からは府民向けの交通安全講座のテーマに、あおり運転も追加。適切な車間距離の取り方などを指導する予定といい、担当者は「一人ひとりの意識を高め、運転時の危険な行為を防ぎたい」と話している。

■「冷静に対処を」

 運転中の出来事に激高して過激な報復をする行為は「ロード・レイジ」と呼ばれる。ドライバーの心理状態に詳しい九州大大学院の志堂寺和則教授(交通心理学)は「車内は身の安全と匿名性が保障されているという安心感から、羞恥心などの歯止めがきかず、周囲への配慮が薄くなりがちだ」と指摘する。

 志堂寺教授によると、感情的になった相手に対しては、サービスエリアなどで車を止め、ドアを開けずに車内から110番通報するなどの冷静な対処が必要。スマートフォンで相手に分かるように撮影すれば、証拠を残すだけでなく「より深刻な被害を避ける抑止力にもなる」。

 一方で、誰でも威嚇する側になる可能性はあるといい「相手からも報復され、思いもよらぬ大きなトラブルに発展するリスクも高い。深呼吸したりして気持ちを落ち着かせてほしい」と呼び掛ける。

 運転時の威嚇行為などが後を絶たないなか、事故時の映像や音声を記録し、被害に遭った際の証拠となるドライブレコーダーにも注目が集まる。

 カー用品大手のオートバックスセブンによると、全店舗でのドライブレコーダーの販売台数は、最近1週間で昨年同時期の約3倍に急増し、品切れになる店舗も続出しているという。

 後部座席などの窓に貼り付ける「ドライブレコーダー装着中」と示すステッカーも売れており、広報担当者は「トラブル回避に役立つと考えている人が多いようだ」とみている。

 ▼あおり運転 前方を走る車との車間距離を必要以上に詰めたり、追い上げながらクラクションや遠方を照らすハイビームで威嚇したりする危険な運転。急な割り込みや車間距離を詰める行為は、道交法で規定する進路変更の禁止や車間距離保持義務違反に当たる。
 高速道路での悪質行為が相次いだことから、国は2009年に同法を改正し、高速道路上と自動車専用道路での違反に限り、罰則を「5万円以下の罰金」から「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」に引き上げた。

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