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首都圏の倒産件数、8年ぶり増加 4~9月

2008年秋のリーマン・ショック以降、減少が続いてきた企業の倒産数が8年ぶりに増えた。目立つのが長らく経営難に苦しむ中小企業による「息切れ倒産」だ。上場企業が過去最高益を更新するなど大企業の躍進が続く中、中小企業にまで景況感の改善効果が及びにくいようだ。

東京商工リサーチによると、17年上半期(4~9月)の首都圏1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の企業の倒産件数は1430件と、前年同期に比べて43件(3%)増えた。増加に転じたのはリーマン・ショックの影響があった09年以来、8年ぶりだ。負債総額はタカタ(東京都)が押し上げたために1兆7238億円と、7年ぶりの高水準だった。

倒産件数の8割超を占めるのが、競争激化による販売不振や赤字累積などが原因の不況型倒産だ。特に飲食などサービス業の倒産件数は前年同期比15%増の410件と大幅に増えた。消費低迷のしわ寄せを受けやすい中小企業の経営環境は厳しさを増している。情報通信は12%増の116件、製造業は3%増の153件だった。

上場企業の純利益は18年3月期に最高益を更新する見通しのほか、景気の先行指標とされる日経平均株価は約20年ぶりの高値圏で推移する。大企業の好調が続く一方で、「競争力や経営基盤が乏しい中小企業には好況の波が及びにくい」(東京商工リサーチ)という。

人手不足をきっかけとした倒産も目立つ。運輸業の倒産数は慢性的なドライバー不足などが原因で前年同期比2割増の42社だった。採用難や採用コストの増加、人件費の上昇は、収益力や財務基盤が弱い中小企業にとって負担になりやすい。経営者の後継者難による倒産も36件にのぼった。

今後の倒産動向に影響を及ぼすような動きも見られる。金融庁が地域金融機関に促す「事業性評価融資」だ。財務状況や担保などにとらわれず、事業の成長性などを適切に評価して融資するよう求めている。

金融機関は09年の中小企業金融円滑化法が施行されて以降、融資先による返済条件の緩和要請、いわゆる「リスケ」に柔軟に応じる事例が多かった。これが金融庁の指摘を受けて「一部の金融機関で貸し出し姿勢が変わりつつある」(東京商工リサーチ)という。今後、業績改善が遅れた中小企業の倒産が増える懸念もある。

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