2017年11月20日(月)

商工中金800人処分 社長が辞任表明、後任は民間から

金融機関
2017/10/25 20:00
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 政府系金融機関の商工組合中央金庫(商工中金)は25日、危機対応業務を巡る不正融資問題の調査結果を中小企業庁に提出した。ほぼ全店で444人、4609口座の不正があった。約800人を処分し、安達健祐社長は辞任の意向を表明。後任は民間から起用する。経済産業省などは2度目の業務改善命令を出した。組織の抜本見直しが求められ、公的金融のあり方を巡る議論に発展する可能性もある。

記者会見で頭を下げる商工中金の安達社長(25日午後、日銀本店)

 商工中金は危機対応業務で融資実績を増やすため、取引先の書類を大規模に改ざんしていた。2016年秋に明らかになり、17年4月には独立した第三者委員会が調査報告書をまとめた。しかしこれを不十分とみた経産省などが全件調査を命じていた。

 全件調査の対象は約22万口座。調査結果の報告書によると、不正行為をした職員は全職員の1割超にあたる。融資実行額は2646億円だった。

 危機対応業務以外でも、統計の聞き取り調査で数値を自作する不正が発覚。預金口座を開設する際、申請者が反社会的勢力でないことを事前確認する作業を怠っていた事例も判明した。

 安達社長は25日、調査結果の提出後に記者会見し、「組織の信頼を根底から揺るがす重大な事態だ。心よりおわびする」と陳謝。責任をとり「適切な時期に社長の職を退く」と表明した。後任は民間から起用する。

 同時に財務省出身の稲垣光隆副社長、商工中金プロパーの菊地慶幸副社長に関しても「現職が再任することはない」と明言した。3人の代表取締役全員が退任する事態になった。

 安達社長は不正行為が広がった原因に関し、チェック体制が不十分だったことや社内の規範意識の低下などがあったと分析。「(現場に)過大なプレッシャーをかけてしまった」と述べた。

 商工中金の社内処分も発表した。安達社長の報酬をゼロにするほか、幹部の報酬を減額。旧経営陣にも報酬返納を求めていく。処分の対象者は813人で、全従業員の約2割に相当する。不正を直接実施した現場の営業職員ら332人に加え、その上司も含めている。

 世耕弘成経産相は25日、同省内で記者団に「商工中金は問題を根絶して解体的な出直しが不可欠だ」と強調した。コーポレートガバナンス(企業統治)の徹底や、民業補完を前提にした持続可能なビジネスモデルの構築などの必要性を指摘した。新設する有識者会議の「商工中金の在り方検討会」で議論し、年内にも提言書をまとめる。

 世耕氏は主務官庁として「不正を重く受け止め、組織としてのけじめをつける」と述べ、自らの給与の2カ月分を自主返納し、経産事務次官と中小企業庁長官を厳重注意処分にした。

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