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競馬実況アナ日記

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コース図から消えた中山競馬場芝1400メートル

2017/10/28 6:30
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 競馬場のコース図を眺めつつ、あれこれ想像を巡らせるのが筆者は好きです。現在はレースに使われていないけれど、コース図には残っている距離の設定もあり、いつか復活しないのか、そのときにはぜひ実況してみたいなどと考えたりします。最近もあることに気づきました。

中山競馬場の昨年までのコース図。芝1400メートルが残っている(左端)

中山競馬場の昨年までのコース図。芝1400メートルが残っている(左端)

 中山競馬場のコース図から、芝1400メートルの設定が消えていた!

最後の競走から25年、なぜ今?

 中山芝1400メートルのレースは長期間行われていませんでしたが、昨年までコース図には残っていました。現在も、内回りコースの1~2コーナー中間地点の奥に、2コーナーから斜めに引き込まれた引き込み線の部分が見えます。

 設定が残っていて、引き込み線も残っているのに、なぜレースに使われなかったのか。なぜ今になって“消えた”のか。マニア心をくすぐられた筆者、取材のため中山競馬場へ――。

今年の中山のコース図。芝1400メートルが姿を消した

今年の中山のコース図。芝1400メートルが姿を消した

 中山競馬場馬場造園課の松原秀樹課長によると「中山芝内回り1400メートルのコースは、競走体系の充実を図るため1986年に新設され、その際に2コーナーからの引き込み線がつくられました。その後の7年間で19競走を実施しました。年間では87年の5競走が最多で、92年に1度行われたのが最後です」。

 ――では、新設コースなのにわずか7年で使われなくなった理由は?

 「スタートしてから2コーナーまでの距離が短く、競走の安全上の問題からフルゲートが10頭と少なかったためです。お客様に出走頭数の充実したレースを提供することや、競走馬の出走機会の確保といった観点から、このコースでレースを行うことが難しく、使用されなくなりました。今後も施行することはないだろうとの判断に至り、今年からこの距離設定が削除されました」

 ――現在、この部分はどうなっているのですか?

 「レースが行われなくなった後も、通常の芝コースに準じた管理を行っています。張り替えが必要になったときに使用する芝を育てる、養成地としています」

中山芝1400メートルの基準点

中山芝1400メートルの基準点

 この引き込み線の部分を、実際に歩かせていただきました。芝はきれいに刈られ、密度高く生えそろっています。足を踏み入れるとフカフカで、しっかり根付いているのも感じます。もともとレースで使用されていた部分なので、地中の路盤も通常の芝コースとほぼ同じ。スプリンクラーなどの設備も整っているため、芝の養成地に適しているとのことでした。現在は約1000平方メートルの芝を養成し、応急処置的に芝の張り替えが必要となった場合、ここから芝が切り出されるそうです。

「危ない、怖い」という騎手も

 「こういうものも残っていますよ」。松原課長に案内され引き込み線の奥まで入ると、スタート地点を示す基準点が埋め込まれていました。さすがに長期間使用されていないためか文字はかすれていましたが、実際にレースで使用されていた名残を見ることができました。

中山芝1400メートルのスタート地点側から見た2コーナーの走路。パトロールタワーの左に障害コースの坂路の下り坂がある

中山芝1400メートルのスタート地点側から見た2コーナーの走路。パトロールタワーの左に障害コースの坂路の下り坂がある

 このスタート地点から2コーナー方向を見ると、他のコースより何となく、カーブまでの距離が近いように感じました。松原課長によると「スタート地点からコーナーまでの距離はわずか150メートル。外回り1600メートルでは240メートル、内回り2000メートルなら400メートル以上ありますからね」。また、正面やや左には、障害コースの坂路(バンケット)の下り部分が見えます。「スタート直後に下り坂に向かっていくような形になるため、当時は『危ない、怖い』という騎手の声もあったようです」。なるほど、1400メートルのレースが姿を消した理由が体感できた気がします。

中山芝2000メートルのスタート地点から見た直線コースとスタンド。新設G1、ホープフルステークスもここからスタートする

中山芝2000メートルのスタート地点から見た直線コースとスタンド。新設G1、ホープフルステークスもここからスタートする

 このあとは個人的興味もあり、様々な距離の基準点を見せていただきました。中山競馬場の芝コースにはAコース(内柵が最内)、Bコース(Aコースから3メートル外に内柵設置)、Cコース(Aコースから6メートル外に内柵設置)があり、それぞれ1周の距離が異なるため、それに応じた様々な基準点が埋められています。例えば内回り3コーナー手前には、ゴールまで残り2600メートル地点を示すポールを立てる基準点があり、年に一度、芝内回り3600メートルのステイヤーズステークス(G2)が行われるときに使用されます。スタート地点だけでなく途中距離を示す地点も、コースに応じて細かく決められていて、それぞれに基準点が設定されているのです。

 コース一周の最後に見つけたのは、Aコースの芝内回り2000メートルの基準点。今年からG1レースとなるホープフルステークスのスタート地点です。希望あふれる2歳馬が新たな栄冠を目指し、ここから走り出すのですね。有馬記念終了後のG1平日開催という、初の試み。舞台となる中山競馬場は、12月2日に始まる次の開催に向けて作業中です。「しっかりと整備して、G1昇格初年度を盛り上げたいですね」と、松原課長は締めくくってくださいました。

(ラジオNIKKEIアナウンサー 小塚歩)

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