ダイムラー、48Vシステムのハイブリッドバスを発表
独Daimler(ダイムラー)は、ベルギーで開催されたバス関連の展示会「Busworld Europe(Kortrijk)」(2017年10月20~25日)に合わせて、48Vシステムを使ったハイブリッドバス「Citaro hybrid」を10月19日に発表した。運行ルートやモデルによって異なるが、燃料消費量を最大8.5%低減できるという。

ハイブリッドシステムでは、エンジンと自動変速機の間にパワーエレクトロニクス一体型の永久磁石同期モーターを取り付けた。モーターはMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)の「Sクラス」のスターター・ジェネレーターと同じもの。モーターの最大出力は14kW、最大トルクは220N・mである。
モーターは減速時の回生エネルギーで発電し、その電力を発進時のエンジンの支援に使う。車両の最高出力や最大トルクを上げるものではない。支援効果はアイドリング時にクリープ走行できる程度のわずかなものにすぎないが、エンジンの負荷を下げられ、発進特性を改善し、燃料消費量を削減できる。
回生エネルギーで発電した電力はスーパーキャパシターに蓄電する。スーパーキャパシターは2つのモジュールで構成され、各モジュールは16個の電気2重層コンデンサーから成る。スーパーキャパシターの容量は2Ahで、ルーフ後部に取り付けられる。穴開きアルミカバーでゴミや直射日光を遮りつつ、気流によって冷却する。48Vシステムを使ったことで、高電圧ネットワークや高電圧システム用の安全機能がいらない。
48Vハイブリッドシステムは、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの両モデルにオプション機能として追加する。小型バス「Citaro K」や連結バス「Citaro G」、低床バス「Citaro LE」、「M 936 G」エンジンを搭載した「Citaro NGT」と連結バス「Citaro G NGT」でも利用できる。ハイブリッド化に必要な追加システムが小型軽量であるため、外形寸法や車両質量の増加が少なく、乗客数は現行車両と変わらない。
(日経テクノロジーオンライン 櫛谷さえ子)
[日経テクノロジーオンライン 2017年10月24日掲載]