アイカムス・ラボ、電動ピペット世界展開

2017/10/25 0:00
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岩手大学発ベンチャーで精密機器のアイカムス・ラボ(盛岡市、片野圭二社長)はペン型電動ピペットを世界展開する。米医療機器製造販売会社と販売契約を結んだ。ピペットは医療や製薬などの現場で微量の液体を滴下する器具。同社独自の超小型駆動装置の技術を使っており、高精度・軽量が特徴だ。欧米を中心に販売、3年後には全体の売上高を3倍に押し上げる。

ペンを持つようにして使うことができる小型・軽量の電動ピペット「ピペッティ」

アイカムス・ラボなどの製品を扱う販売会社、TOLIMS(同)が10月、米医療機器製造販売のハーバード・バイオサイエンス社と、ペン型電動ピペット「ピペッティ」の販売契約を交わした。同社の「ホーファー」ブランドで11月から販売する。欧米市場で展開するため、アイカムス・ラボは欧州連合(EU)での販売に必要な安全基準認証「CEマーク」を表示する。

ピペットは小さなくぼみが多数並ぶプレートに微量の液体を1滴ずつ滴下したりする際に使うスポイトのような器具。従来の電動製品は重く、プレートのくぼみを狙いにくいなどの問題があったという。

ピペッティは重さ約75グラムで、ペンを持つようにして操作できる。アイカムス・ラボ独自のマイクロアクチュエーター(超小型駆動装置)技術を使って小型・軽量化を実現した。また温度センサーを組み込んでおり、作業中に手の温度でピペット内の空気が膨張し滴下量が変化してしまう問題にも対処している。

容量別に0.1~20マイクロリットル、1~250マイクロリットル、5~1000マイクロリットルの3種類がある。2013年11月に国内で発売、約4年間で約2000台を販売した。

ハーバード・バイオサイエンス社は1901年設立。米ナスダックに上場しており、売上高は約1億ドル。製薬会社や政府の研究機関向けに販路を持つ。知人に紹介され、今年4月に米シカゴで開かれた生物学会で、同社のブースにピペッティを展示してもらったところ、研究者から高い評価を得た。韓国と台湾では別に販売契約を交わしており、同社はそれ以外の各国・地域で独占販売できる。

アイカムス・ラボの片野社長によると、ピペットの市場規模は国内で75億円、海外で1500億円。契約を担当したTOLIMSは海外展開を見据え、2016年に片野社長らが設立した。「商社などを通さず、岩手から直接、海外に販売できるのは大きい」と説明する。海外での販売は初年度に900台を計画する。

アイカムス・ラボは03年創立。17年9月期の売上高は約3億6000万円。今回の世界展開を踏まえ、20年9月期には売上高12億円をめざしている。

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