デンソーへの12億円課税取り消し 最高裁
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海外子会社の所得にタックスヘイブン(租税回避地)対策税制を適用した課税処分をめぐり、デンソーが処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は24日、デンソー側の主張を認めた。名古屋国税局による約12億円の課税を認めた二審判決を破棄。デンソーの逆転勝訴が確定した。
タックスヘイブン対策税制は、税率が低い国・地域にある子会社の主な業務が「株式の保有」にとどまる場合、日本の親会社の所得に合算して課税する。子会社に事業実体があるなど一定の要件を満たせば適用が除外される。訴訟ではシンガポールにあるデンソー子会社が適用除外にあたるかが争点になっていた。
デンソー側は「子会社は東南アジア地域を統括する事業を担っている」と主張。国側は「子会社の業務は株式保有に含まれる機能にすぎない」としていた。
同小法廷は判決理由で「子会社の地域統括業務は調達や財務、物流改善など多岐にわたる。域内グループ会社の効率化やコスト低減を目的としており、相当の規模と実体を有していた」と指摘した。
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