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米シスコ、クラウドサービス大手を買収 2200億円

【シリコンバレー=佐藤浩実】米IT(情報技術)大手のシスコシステムズは23日、クラウド上で使う音声通話ソフトなどを手掛ける競合企業、米ブロードソフトを19億ドル(約2200億円)で買収すると発表した。シスコにとり、数千億円規模の大型買収は今年に入って2件目。ルーターやスイッチといった通信機器の売り上げが落ち込むなか、相次ぐ買収でサービスを主体とする事業構造への転換を急ぐ。

ブロードソフト株1株あたり55ドルを現金で払い、負債も引き受ける。同社の20日の終値は53.9ドル。シスコは「買収金額は適切」と説明しており、2018年1~3月に買収手続きを完了する予定だ。

ブロードソフトは音声通話やビデオ会議、ファイルのやり取りといった異なる通信手段を統合して、企業内の交流や働き方の改善を促す「ユニファイド・コミュニケーション」と呼ぶサービスをクラウド経由で手掛ける。16年の売上高は3億4100万ドルで、従業員は約1700人。ブロードソフトによれば同分野での世界シェアは49%で、シスコは2位で約10%という。米マイクロソフトなどが続く。

23日朝に電話会見をしたシスコのローワン・トローロープ上級副社長は「音声メッセージなどブロードソフトの強みとシスコのクラウド基盤や通信機器を組み合わせ、年数十億ドル規模の市場に臨む。顧客の利便性、売り上げ、収益を高められる」と強調した。シスコは大企業の顧客が多くブロードソフトは中堅中小企業に強いため、すみ分けができるとしている。ブロードソフトの営業部門で働くある社員は「シェアが高まるので買収を前向きに受け止めている」と話した。

シスコはルーターなど既存事業で人員削減を進める一方で、ソフトやサービスを扱う企業に相次ぎ買収を仕掛けている。1月には新規株式公開(IPO)の目前だったデータ分析ソフトのアップダイナミクスを37億ドルで買収すると公表。ベンチャー企業などにも資本参加しており、シスコのヒルトン・ロマンスキ最高戦略責任者は「買収はシスコにとって引き続き重要な戦略となる」とブログに投稿した。

シスコやデル・テクノロジーズといった米国の老舗IT企業では、ハードウエアなど既存事業の停滞を打破するために事業構造の転換を急ぐ動きが広がっている。ただ、多くの企業が口にするのはセキュリティーやあらゆるモノがネットにつながるIoT、人工知能(AI)といったお決まりのキーワードだ。成長市場と期待される半面で競争も激しく、自社の資産を生かしながら独自の立ち位置を築けるかがカギになる。

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