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邦銀、過剰競争で低収益に

日銀リポート 手数料、欧米に見劣り

日銀は23日、邦銀の低収益の背景に過剰競争があるとの分析を公表した。都心部・地方ともに店舗が過剰で、1店舗あたりの収益が欧米に比べて劣っているという。欧米と比べ手数料収入が少ないうえ、日銀の金融緩和の影響で融資や証券運用で得られる収益も低迷している点を指摘。邦銀の収益環境の厳しさを定量的に示した。

半年に1度公表する「金融システムリポート」で分析した。銀行界と問題意識を共有するねらいがあり、金融政策の判断材料にもなる。

邦銀の収益力は欧米と比べ低迷が続く。特に手数料などの非金利収入が顕著だ。たとえば中小金融機関の1店舗あたりの非金利収入は中央値で2200万円と、米国の4割、欧州の2割弱の水準にとどまる。欧米では「口座維持手数料が一般的だが、日本ではかからない」(日銀)。

欧米では金融サービスの価格が年2%程度で上昇。家計の支出に占める比率は0.2~1.3%にのぼる。一方、日本の同比率は0.01%とほぼゼロだ。顧客の間で「手数料ゼロが当たり前」との意識が浸透。銀行は手数料をとりづらくなっている。

預金関連の手数料をとれないビジネスモデルが定着した結果、金融機関の貸し出し競争に拍車がかかった。日銀の金融緩和による低金利環境の継続も相まって貸し出し利ざやが一段と縮小し、金利収益も減少している。

過剰競争の背景に店舗の密集という問題もある。可住地面積1万平方キロメートルあたりの金融機関店舗数は郵便局を含めると4833店。オーバーバンキング(銀行過剰)とされるドイツと同じ基準で比べてもおよそ3倍と先進国で突出している。人口や企業が減っており、金融機関の過剰感は一段と高まっている。

金融機関の競争が過度に厳しい状況が続けば、金融機関の経営が不安定化するリスクがある。特に競争が激しい地銀では損失を吸収する力が同時に損なわれると、金融システム全体にリスクが及ぶ可能性もある。

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