2017年11月19日(日)

週休3日定着のカギは「平日のゆとり」

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2017/10/24 6:30
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 1週間に4日働き、3日を休む「週休3日制度」。ファーストリテイリングや佐川急便などが導入し、政府が推進する「働き方改革」への取り組みの一例として注目されている。企業や従業員にとってどのようなメリットがあるのだろうか。「働き方改革」やワークフロー改善などに詳しく、内閣府の男女共同参画会議議員でもある中央大学大学院戦略経営研究科の佐藤博樹教授に話を聞いた。

働き方改革の取り組みの1つとして注目される「週休3日制度」は定着するのだろうか(東京・丸の内)

働き方改革の取り組みの1つとして注目される「週休3日制度」は定着するのだろうか(東京・丸の内)

 ――「週休3日制度」を導入する企業が増えています。どのようなメリットがあるのでしょう。

 「まず前提として、週休3日制度はパート従業員ではなく正社員を想定した議論であることを忘れてはいけない。従来、『週5日×8時間』勤務だった正社員が、『週4日×10時間』などの働き方になることを指している」

 「日本では、『週5日×8時間+残業』の勤務体系で働いている会社員が多い。これを『週4日×10時間』にすることで残業が減り、企業が支払う給与は所定労働時間分だけになる。そのため、企業にとっては残業代を抑えることができる。従業員にとっても、条件次第では働き方の選択肢が広がるといった利点がある」

 ――どのような企業や業種で導入するのに適していますか。

 「現在導入している企業の業種を見ると、人手不足や長時間労働に悩む小売りやサービス、運輸業などが多い。これらの業種ではもともと営業や労働時間が長く、企業も残業削減や人材確保などに頭を悩ませてきた。週休3日制度は話題性もあるため、人も集まりやすい。導入による一定の成果は表れそうだ」

 「地方でも導入している企業は多い。地方では職住が接近しているケースが多く、平均通勤時間が都市部の企業で働く従業員に比べて短い。通勤時間が短ければ、平日10時間働いても、平日の生活時間を十分確保できる」

 ――週休3日制度の議論は以前からありましたが、普及・定着しませんでした。なぜでしょうか。

 「『週4日×10時間』の働き方を望む従業員がどれだけいるかと考えると、決して多くはないと思う。1時間の休憩時間を含めば、1日の拘束時間は11時間になる。通勤時間が片道1時間と考えると、勤務時間と合わせて毎日13時間を仕事のために費やすことになってしまう」

 「2時間残業するより、2時間所定労働時間が増えるほうが精神的なプレッシャーは大きいだろう。残業なら『明日やろう』と作業を翌日に回すこともできるが、所定労働時間となればそうはいかない。せっかく休みが1日増えても、平日にたまった心身の疲れのせいで1日中寝るだけになってしまえば意味はない」

 ――企業にとってデメリットはありますか。

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