米ベライゾン、利益横ばい 7~9月 買収で増収確保
【ニューヨーク=清水石珠実】米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが19日発表した2017年7~9月期決算は売上高が前年同期比3%増の317億1700万ドル(約3兆5700億円)となった。純利益は横ばいの36億2000万ドル。6月に手続きを終えた米ヤフー中核事業の買収効果などで増収を確保したが、稼ぎ頭である携帯事業の成長鈍化で収益は伸び悩んだ。
買収など特殊要因を除くと売上高は約2%減になるという。1株利益は0.89ドル(前年同期は0.89ドル)。特殊要因を除くと0.98ドルで、市場予想(0.98ドル程度)と同水準だった。
ベライゾンが首位の米携帯業界では上位4社による顧客の争奪戦が激しい。3位TモバイルUSが人気の火付け役となった割安感の高い「使い放題プラン(通話、データ通信を含む)」に押され、ベライゾンは年初まで顧客流出に苦しんでいた。対策として2月、約6年ぶりに使い放題プランを復活させたことが功を奏し、「契約者の流出傾向は底を打った」(マット・エリス最高財務責任者=CFO)という。
7~9月期の新規契約件数(プリペイドを除く、純増減ベース)は60万3千件の純増となった。同社は1~3月期に30万7千件減と初の純減を記録し成長不安が広がったが、4~6月期(61万4千件の純増)に続いて2四半期連続で純増を確保した。
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