水上駅前のSL、クラウドファンディングで塗り替え
JR水上駅(群馬県みなかみ町)前の「転車台広場」に展示されているSL「D51 745」が、インターネットで資金を集めるクラウドファンディングを通じた寄付金を使って塗り替えられ、黒光りする美しい姿を取り戻した。

D51 745は1943年に製造。現役時代の最後は高崎第一機関区に配属され八高線などで活躍した。1970年から水上駅前などで展示されていたが、長年の風雨にさらされ、ところどころペンキがはげた状態になっていた。
上越国境越えの要所で、「鉄道の町」として知られたみなかみ町では、町内の鉄道遺産を活性化につなげようと旧国鉄OBや地元住人らを中心に昨年「SLみなかみプロジェクト」が発足。7~8月の2カ月間、クラウドファンディングを実施した。目標の600万円には達しなかったものの、全国の延べ211人から328万円が集まり、このほど塗り替えが完成した。
JR東日本は高崎―水上間に、SLがけん引するイベント列車を週末を中心に走らせている。プロジェクトの事務局であるみなかみ町観光協会は「みなかみへのアクセスは高速道路や新幹線もあるが、時には車窓からの景色がすばらしい在来線でのんびりした旅を楽しんでほしい」と話す。
今後は町内の道の駅で保存されている勾配線区用の電気機関車「EF16」の塗り替え資金を、クラウドファンディングで調達することを検討している。
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