築地の水産仲卸、1年で1割減
東京都の築地市場で水産物を取り扱う仲卸業者が2017年4月時点で551事業者となり、16年4月に比べ1割弱(51事業者)減少したことが19日、分かった。小池百合子知事が当初予定していた16年11月7日の豊洲市場への移転を延期し、17年4月時点では移転の実現が見通せなかった。先行きの不安などで営業継続を断念した業者も少なくないとみられる。

都が19日の都議会経済・港湾委員会に提出した資料で判明した。都の担当者は豊洲市場に移転する予定の水産仲卸が540事業者であることも明らかにした。
仲卸は大手の一次卸から商品を買って飲食店や小売店に売る二次卸。零細事業者が多く、赤字経営も目立つ。近年は減少傾向が加速している。築地市場の青果仲卸は17年4月時点で97事業者と、16年4月時点に比べ5事業者減った。
都は豊洲市場への移転時期を18年9~10月にする方針を固め、市場業界との調整に入った。ただ、調整が難航して移転がさらに遅れれば、仲卸の経営に影響を与える恐れもある。