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ニュージーランド、9年ぶり政権交代 TPPに慎重姿勢

【シドニー=高橋香織】ニュージーランド(NZ)の最大野党、労働党が9年ぶりに政権を奪回する。9月の総選挙で第3党となったNZファーストが19日、労働党と連立を組むと発表した。第4勢力の緑の党は連立に加わらないが、労働党との政権協力に合意した。環太平洋経済連携協定(TPP)の旗振り役だったNZの与党、国民党の下野で、TPP交渉にブレーキがかかるのは避けられない。

9月23日投開票の総選挙(一院制、定数120)では、イングリッシュ首相率いる第1党の国民党、第2党の労働党など、どの政党も過半数に達しなかった。9議席を獲得してキャスチングボートを握ったNZファーストは、国民、労働両党と連立協議を進めたが、国民党よりも労働党と連立した方が影響力を高められると判断した。新首相には、来週にも労働党のジャシンダ・アーダーン党首(37)が就く。

アーダーン氏は記者会見で「NZファーストとは政策の共通点が多い」と説明、「国民のための政策を実現する」と強調した。NZの女性首相はジェニー・シップリー氏、ヘレン・クラーク氏に次いで3人目となる。

NZファーストのウィンストン・ピータース党首(72)は19日、「多くの国民が資本主義を友人ではなく敵だと見ている」と述べ、政権交代の必要を強調した。同党は排外的な大衆迎合主義を掲げ、移民や外資の規制を公約に掲げた。労働党も移民制限や外国人による中古住宅の購入禁止を主張する。両党は選挙戦で、約3%という成長のひずみで貧富の格差が広がったと与党を批判。社会問題化した住宅不足の対策や福祉の充実を訴えて、支持を拡大した。

ニュージーランドはTPPの原加盟国「P4」の1つ。米離脱後も「TPP11」の早期発効を推進した。だが、新政権はTPPや自由貿易協定(FTA)へ慎重な姿勢に転換するのは確実だ。

NZファーストや緑の党はTPPに反対。労働党も外国人による中古住宅物件の購入禁止を盛り込むため、TPPの再交渉を主張する。記者会見で「TPP離脱」を問われたアーダーン氏は、「現段階では必要はない」としながらも「国民を守るために再交渉する」と言明した。

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