資生堂、国内950億円投資 「日本製」を競争力に

2017/10/19 18:55
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資生堂は19日、栃木県大田原市に国内で36年ぶりとなる新工場を建設すると発表した。2020年に稼働予定の大阪新工場(大阪府茨木市)の能力も当初計画比で倍増する。2工場とも主力のスキンケア商品を生産し、国内外の供給力を高める。化粧品各社はインバウンド(訪日外国人)向けの販売やアジア向け輸出が好調で生産能力を引き上げる動きが続いている。

同日、日本経済新聞の取材に応じた魚谷雅彦社長は「"メード・イン・ジャパン"を競争力の核に位置づける」と述べた。

栃木・大阪の2工場の建設に要する投資は最大で950億円に達し、20年までに化粧品の生産能力は17年比で1.6倍に高まる見通し。栃木では国内市場向けの中価格品、大阪では国内外で展開する高価格品の生産を手掛ける。化粧水や美容液などスキンケアの生産を分担し、グローバルでの供給力を高める。

資生堂は近年、インバウンド向けの販売やアジア向け輸出で好調。17年12月期の売上高は過去最高の9650億円を見込む。インバウンド以外の国内需要も堅調で供給が不足している。

16年2月に大阪工場(大阪市)の茨木市への移転・拡張を発表したが、国内外の需要の伸びが想定を上回ったため新工場の建設を決めた。国内は大阪と栃木、掛川工場(静岡県掛川市)と久喜工場(埼玉県久喜市)を含めた4拠点体制となる。

魚谷社長は「中国向け商品は日本製の品質の高さが消費者に評価されている」と指摘。「国内拠点の重点的拡大が重要になった」とした。今年に入り、中国で展開する主力のスキンケア商品「エリクシール」の生産をベトナムから日本に切り替えている。

大阪新工場の建設に伴い閉鎖する方針だった、既存の大阪工場についても「卓越した技術を備えた人材がおり、何らかの形で存続を検討している」(魚谷氏)という。掛川工場や久喜工場でも能力増強や増員を進める方針だ。

魚谷氏は日本コカ・コーラの社長・会長を経て、14年に資生堂初の外部出身の社長となった。20年度に売上高を1兆円超、営業利益を1千億円超に引き上げる中期経営計画を実行中。魚谷社長は中計について「目標達成は必須で、その先もさらに強化していきたい」とした。

資生堂に加え、コーセーやカネボウ化粧品も化粧品の輸出を拡大している。16年の日本の化粧品輸出額は前年比29%増の2676億円で過去最高を更新し、初めて輸出が輸入を上回った。17年1~6月期も前年同期比3割増のペースで伸びており、通年では初めて3千億円の大台に乗る公算が大きい。

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