2019年9月18日(水)

メーク「宝塚風」でどう変わる 目鼻くっきり 理想の顔に(もっと関西)
とことんサーチ

2017/10/19 17:00
保存
共有
印刷
その他

目をもっと大きく、輪郭を引き締めて小顔に――。多くの女性が抱えるお悩みは記者(35)も例外ではない。メークの力で理想の顔を目指そうとするものの、なかなかうまくできないのが現実だ。慌ただしい朝に十分な時間を掛ける余裕もない。見目麗しいタカラジェンヌのようになるためのメーク術を探ってみた。

まず宝塚歌劇団に教えを請おうと取材を申し込んだ。ところが、「メークは企業秘密。過程を明かすことはできません」と丁重に断られてしまった。ならば元タカラジェンヌに頼めないか。2008年に退団した元男役のアイドル、彩羽真矢さん(33)にお願いすると、快諾してくれた。彩羽さんは動画投稿サイト「ユーチューブ」でメーク術を公開している。実際に記者もメークをしてもらい、技を研究することにした。

メーク前

メーク前

宝塚歌劇で一般的な演目は「洋物」と呼ばれる西洋が舞台の芝居。彩羽さんは宝塚風メークのポイントとして(1)演出に合わせて西洋人風に彫りを深くして小顔に見せる(2)客席からも表情がよく分かるよう目を大きく見せる――の2点を挙げた。いったいどんな工夫があるのか。

まず教わったのはベース作り。肌色のドーランの上に「地紅(じべに)」と呼ばれる紅色のドーランを重ねる。真っ赤な顔に粉やファンデーションを重ねていく。これが小顔に見せるための第一歩だ。

続いて登場したのは「鼻立て」と呼ぶ手法。茶色のドーランを両手の人さし指につけて鼻の横筋をなぞる。なるほど、陰が生まれ鼻が高く見える。顔に陰影をつける「シェーディング」という技術も教わる。茶色のシャドーパウダーで生え際や輪郭周辺、あごの下辺りに暗い色をのせる。鏡をのぞくと、たるんだ丸顔が少しスッキリして見えた。

メーク後

メーク後

次は本丸の目だ。「大きく見せるために"目を描く"感じ」と彩羽さん。テープで二重をつくり、まぶたにもう一本、濃いピンクや青で「ダブルライン」と呼ぶ線を引く。

「集中するので今からしゃべれません」。彩羽さんの緊張が一気に高まったのは、アイラインを引く瞬間。目頭から目尻に向けて漆黒のアイラインを重ねる。下まぶたにも羽のようなまつげを描き、付けまつげは本来のまつげから5ミリほど上に貼る。鏡で見ると目が元の2倍の大きさに。目力も強くなった気がする。

描くのが難しい眉毛。自然に美しく描くコツはあるのか。彩羽さんが取り出したのは舞台用の茶系のペンシル3本。微妙に違う色合いを重ね、中心部を濃く、周りを淡くしてグラデーションをつけた。

優しい印象にするには娘役の緩やかな曲線の「笹(ささ)眉」を、キリッとした表情なら男役のように眉尻に向けて上げ気味に描くと良いとアドバイスももらった。

彩羽さんによると、宝塚歌劇団のメークは「ほぼ独学で身に付ける」。宝塚音楽学校で一度だけ先輩から基本の授業を受け、後は自助努力で技を磨く。自身も新人時代は完成に約2時間かかったが、今は30~40分でできるという。

何だか欲が出てきた。着物や浴衣など和装に合うメークもあるだろうか。思い浮かんだのは京都の舞妓(まいこ)。メーク体験などを手掛ける「夢館」(京都市)スタッフで元舞妓、紅子こと渋谷詠子さん(59)に尋ねると、舞妓のような和装に映えるメークのコツは「赤い口紅を使う」「襟足や首など地肌が出る部分にはしっかりと粉をはたく」ことだと教えてくれた。

「まず自分の顔の特徴をよく知ることが大切」とアドバイスする彩羽さん

「まず自分の顔の特徴をよく知ることが大切」とアドバイスする彩羽さん

主に10代後半の舞妓時期のメークは「かわいらしさを出すため、陰影はつけず、殻をむいたゆで卵のようなつるんとした顔が理想」と渋谷さん。舞妓メークは白塗りの下地作りに最も時間をかける。「普段のメークもファンデーションで土台を美しく仕上げるよう意識すると、完成に差が出る」と明かしてくれた。

今回の取材で教わったコツを基に、記者も日々のメークを見直してみた。周囲で変化を褒めてくれる声はまだ聞かれないが、自分のメークに少し自信が湧き、楽しめるようになったのは収穫だ。「自己満足でも良いから、コツコツと技術を磨いていこう」と決めた。(大阪社会部 松浦奈美)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。