2017年11月20日(月)

EU改革加速へ首脳会議テコ入れ、トゥスク氏が提案

ヨーロッパ
2017/10/19 0:30
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 【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)のトゥスク大統領は19日から開く首脳会議で、EU改革を加速させるため、加盟国のリーダーらの介入拡大を狙った首脳会議改革を提案する。難民・移民対策やユーロ圏改革など加盟国の合意が滞っている課題を2019年春にかけて集中的に討議。足並みがそろわない場合は改革実現を優先し、有志国が先行することを視野に入れる。

 トゥスク氏が17日、加盟国首脳に送った書簡で明らかにした。19年春までに開く首脳会議や非公式首脳会合で取り組む議題をまとめた作業計画書「首脳アジェンダ」を提案する。移民政策や治安対策、ユーロ圏改革など各会合ごとに取り組む課題をあらかじめ特定。18年には年7回の首脳レベル会合を開き、トップどうしの政治決着で改革停滞の打開を狙う。

 全会一致が原則だった首脳会議の進め方も大きく見直す。従来は声明なども、加盟国の意見対立がなるべく目立たないように配慮する傾向が強かった。今後は首脳会議の前に加盟国どうしの意見の違いを明示する「意思決定文書」を作成。対立点を浮き彫りにして協議に臨む。「より真剣で政治的な討議」(トゥスク氏)につなげる狙いだ。

 首脳らの討議で合意形成に失敗した場合は、有志国だけで改革を実行するかどうかを即座に検討する。意欲ある一部の国だけが先行して欧州統合を深める「マルチスピード構想」の具体化につながりそうだ。同構想は英を除くEU27カ国の首脳が3月に採択した「ローマ宣言」で、英国のEU離脱後の統合のあり方として提起されていた。

 首脳会議改革は、英国離脱や域内で広がるポピュリズムに対抗するのが狙いだ。加盟国の合意が停滞し、難民対策や経済政策で有効な改革を打ち出せなかったことが「反EU」機運を育んだとの反省がある。トゥスク氏は約2週間かけて全28加盟国の首脳らと個別に相談して提案をまとめた。

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