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勝負師・池田勇太、負けられぬ試合で重圧に勝つ
編集委員 吉良幸雄

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2017/10/19 6:30
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 主役・池田勇太(31)の迷走に、19歳のアマチュア、金谷拓実(東北福祉大1年)の大健闘――。ゴルファー日本一を決める国内最高峰の第82回日本オープン選手権(12~15日、岐阜関CC東=7180ヤード、パー70)は、池田が“自作自演”のドタバタ劇の末に逃げ切り、2014年(千葉CC梅郷)に次ぐ大会制覇を果たした。本大会での複数回優勝は史上17人目。1973年のツアー制施行後、日本人選手としては最年少での達成となった。

優勝を決め、ガッツポーズする池田=共同

優勝を決め、ガッツポーズする池田=共同

 5打差の首位スタート。2位に2打差以上の首位で最終日を迎えたときは、これまで6戦全勝と逃げ切りはめっぽう得意な池田だから、悠々ゴールするだろうと思われた。ところがアマ金谷に1打差に迫られ、息も絶え絶えでホールアウト。記者会見場に現れると、激闘に疲れ切った表情で「あー、ここにいるのが恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべた。

上がり3ホールに苦戦の伏線

 よもやの苦戦の伏線は第3ラウンドの「上がり3ホール」にある。チップインイーグル直後の16番で3パットボギー、18番ではドライバーショットを右カート道に曲げ、ボギー。「上がり3ホールで台無し。こういう終わり方をしていると競ったときに勝てない」と吐き捨てた。悔しくて16、18番のシーンが2度も夢に現れたという。右に曲げた18番の残像が頭に焼き付いていたのか。最終ラウンドの1番のティーショットは左へ。斜面でキックしてフェアウエー真ん中に出たが、3番のドライバーショットがまたもや左へ飛び、OBゾーンに消えた。このホールで、ラフからチップインを決めた同組の金谷が4番では10メートルを沈め連続バーディー。その差は一気に1打に縮まり、優勝争いは風雲急を告げた。

 金谷がピンそば2メートルにつけた6番(パー4)で、池田はグリーン手前ラフからチップイン。7番(パー5)ではラフからの第3打を1メートルに寄せ連続バーディーを奪うなど絶妙の小技で首位を譲らない。ティーインググラウンドが前に出された11番(297ヤード、パー4)では1オンに成功しバーディー。12番を3パットボギーとした金谷を3打引き離した。

 ところが15番(パー5)で左を警戒しすぎて今度はティーショットを右OB。16番は左バンカーに入れ、連続ボギーをたたく。再び1打差に迫られて迎えた17番ではユーティリティーのティーショットを右ラフに打ち込み、第2打もラフにつかまった。一方の金谷はピン右3メートルのバーディーチャンス。27年第1回大会の赤星六郎以来、90年ぶりのアマチュア優勝も現実味を帯びてきた。

 しかし絶体絶命ともいえるピンチで、業師はアプローチを1メートルにつける職人芸だ。終盤は金谷もさすがに優勝を意識、バーディーパットを外して首位に並ぶことができなかった。ティーショットを曲げ続けた池田が勝負根性を見せたのが18番(473ヤード、パー4)。グリーンはやや打ち上げで距離も長く、ラフに曲げるとパーをとりづらいが、ドライバーを振り切り見事フェアウエーを捉えた。「1打リード。3番ウッドでフェアウエーに打ちゃいいかもしれないけど、ドライバーしかない」。金谷は第1打、第2打ともラフにつかまり、パーセーブが精いっぱいの状況。ただパーオンに成功した池田もカップまでは15メートル以上残していた。「3パットの可能性も十分ある」。ハウスキャディーと慎重にラインを読み、10センチに寄せると天を仰ぎ、目を潤ませた。

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