働く女性の77%「転職考えたことがある」 理由は?

皆さんは転職を考えたことがありますか。日経ウーマンオンラインが転職に関するアンケートを行ったところ、働く女性604人から回答があり、そのうち4人に3人以上が「転職を考えたことがある」と回答。「考えたことがない」人は140人でした。それぞれどんな理由があるのでしょう。その実情に迫ります。
・日経ウーマンオンライン上で読者を対象に実施
・調査期間:2017年9月1日(金)~9月28日(木)
・有効回答者数:604人
「転職を考えたことがありますか」と聞いたところ、604人のうち464人が「ある」と回答。4人に3人以上は「転職を考えたことがある」と分かりました。

転職を考えるきっかけ、1位は「人間関係」
皆さんは、どんなときに転職を考えたのでしょうか。その理由を見てみましょう。
・上司と合わない、セクハラ・パワハラを受けた……37人
・キャリアアップ・成長・挑戦したい……37人
・休めない、仕事量が多すぎる……28人
・仕事にやりがいを感じない、マンネリ……27人
・給料が安い・仕事に見合わない……24人
・やりたい仕事ではない……19人
・会社や経営者の方針が合わない……19人
・結婚・転勤などで生活が変わった……12人
・会社の将来性が見えない……8人
・会社の雰囲気が合わない……4人
・遠距離恋愛がつらい……2人
「人間関係がつらい」(51人)が最も多く、次の「上司と合わない、セクハラ・パワハラを受けた」(37人)と合わせると、職場の人間関係を理由に転職を考えている読者が多いことが分かります。
また、「休めない、仕事量が多すぎる」「仕事にやりがいを感じない、マンネリ」「やりたい仕事ではない」など仕事内容や働き方、「会社や経営者の方針が合わない」「会社の将来性が見えない」「会社の雰囲気が合わない」といった会社自体とのミスマッチを挙げる人も多くいました。
一方で、「キャリアアップ・成長・挑戦したい」という前向きな理由が2位にランクインしています。他に「給料が安い・仕事に見合わない」という待遇への不満や、「結婚・転勤などで生活が変わった」「遠距離恋愛がつらい」などのプライベートな理由もありました。
転職を考えたけれども、実際には転職しなかった人もいます。「転職を考えた理由」と「踏みとどまった理由」は何だったのでしょう?
転職を踏みとどまる理由は「人」「環境の変化」
【会社の人に恵まれている】
◆ 自分の仕事が何に役に立っているのか、仕事をする意味や目的が見いだせなかったときに転職しようと思った。転職しなかったのは、一緒に働いている人が心優しく温かい人が多かったため。(27歳、情報通信、一般事務・営業事務)
◆ 給与がほとんど上がらないから。上司とうまくいかなくて毎日イライラするから。しかし同僚にはとても恵まれていて、手放すのが惜しいと感じるため転職活動はまだしていない。(30歳、サービス、 接客)
◆ 生活費が苦しかったときに考えました。求人を見るくらいで実際に転職活動はしませんでした。今の会社の居心地がいいからです。給料の良い求人はいろいろありましたが、人間関係の再構築がおっくうで、しかも合わない人がいたら嫌だなと思って二の足を踏みました。(32歳、製造、営業事務)

【環境が変わった・変わるのを待つ】
◆ 上司が嫌だったけど、人が嫌で辞めるのはもったいないと姉に諭された。その後、上司はすぐ変わりました。(28歳、製造、マーケティング)
◆ 入社2年くらいのときに、女性社員を事務職としてしか扱わない会社の風潮に嫌気が差し、転職したいと考えましたがその後、総合職転換の話が出てやめました。(38歳、商社、生産管理)
◆ 就職し、働き始めてから、やっと「私がやりたかったことは何だろう」と現実味を帯びて考えることができるようになったため。しかし今の会社でも異動の機会があるので、まずはその機会を利用しようと考え直しました。(23歳、運輸、営業・一般事務・営業事務)
◆ 小さな組織ですが、トップが変わってしまい、考え方が合わず気苦労が重なっているので。ただ、トップは3~4年で変わるので、もう少し我慢すべきなのかもしれないと思い、実際の行動には踏み切れていません。(25歳、その他、企業支援)
【福利厚生がいい】
◆ 外回りの営業の仕事がマンネリ化してきて、さらに周りの営業との差を感じたとき。転職はしなかったが希望を出して部署異動をした。福利厚生が良いので転職は勇気が出なかった。(30歳、製造、企画・広報)
◆ 仕事の人間関係に疲れて転職したくなったことがあるが、福利厚生が良くてもったいないから辞められなかった。(33歳、金融、一般事務)
【いい会社や仕事が見つからない】
◆ 会社や職場の雰囲気が自分に合わないと感じたため転職活動をしました。ですが、希望の条件に合う企業が見つからなかった、または見つかっても選考が通らなかったため転職していません。(26歳、金融、一般事務・営業事務)
【まずは自分の価値を高める】
◆ 転職活動を始めたものの、職歴が短く転職市場でかなり不利だったため、あえなく諦めました。もう1、2年は今の会社で働きながら、自分の市場価値を高める努力をしたいと思います。(25歳、人材、人事・一般事務)
【自信がない】
◆ (転職を考えたことは)ありますが「あなたの適正年収判定します!」なるもので判定不能と出て、あぁ~どこにも転職できないんだなと悟りました(笑)。(29歳、商社、一般事務)
【自分の方向性が定まらない】
◆ 現在の仕事での人間関係が嫌になったとき。転職活動はやりかけたが、イマイチ今の会社以外でやりたいことが明確にならなかった。(36歳、卸売・流通、人事)
【新しい環境は大変そう】
◆ 仕事や人間関係が嫌になったとき、転職を考えた。でもこの年齢で新しい環境で新しいことを覚えるのなんて大変なだけなので実際にしようとは思いません。(39歳、製造、総務)
転職を考えていない人も「結婚」「人」次第で検討するかも
転職を考えたことが「ない」人は140人で、全体の23%でした。考えない理由には、次のようなものがありました。
◆ 今の仕事以外にできることがないので……。(33歳、公務員)
◆ 嫌なことはたくさんあるが、それよりも安定を重視。今の所は給与面でかなり恵まれている。(34歳、製造、研究開発・専門職)
また、「将来どんな場合に転職するか」を聞いたところ、さまざまな答えが返ってきました。
◆ 結婚相手が地元の人じゃなかったら、転職を真剣に考えると思う。(42歳、公務員、一般事務)
◆ もっと良い条件の会社に出合ったときや、友人から仕事の話をもらったとき。(27歳、情報通信、営業事務)
◆ 会社自体がなくなるか、自分の一番尊敬している人が退職したとき。(31歳、保険、常勤監査役)
◆ 別の道で成功する可能性や今の立場を捨ててでもやりたいことが見つかれば、転職の可能性もある。(35歳、医療福祉関連、専門職)
◆ 自分にもっとスキルと経験があったら、もっと高収入のやりがいのある仕事を検討するかも。(36歳、製造、営業)
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いかがでしたか。転職を考える理由は「人間関係」がトップでしたが、転職を踏みとどまる理由としても「人」が多く挙がっていました。仕事をする上で、やはり職場の「人」の存在はかなり大きいようです。また、転職を踏みとどまった人の声には「なるほど!」と思えるものがいくつもありました。ぜひ参考にしてみてください。
(ライター 佐々木恵美)
[nikkei WOMAN Online 2017年10月17日付記事を再構成]
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