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「竹繁殖前線」破竹の北上 温暖化で拡大予測

東北大や長野県環境保全研究所などの研究グループは17日までに、温暖化で竹の生育に適した環境が広がり、里山の管理などに悪影響を与えるリスクがあるとの予測をまとめた。温暖化対策を取らずに今世紀末までに平均気温が産業革命前より4度上昇した場合、東日本では竹が育ちやすい地域の割合が最大で83%に達するという。

北限は北海道の稚内市まで拡大する恐れがある。現在の日本の竹林の総面積は15万9千ヘクタール。主にモウソウチク、マダケで構成され、管理が行き届かない竹林の拡大が各地で問題となっている。

管理放棄された竹林の周縁は1年に最大3~4メートルの速さで広がり、日陰をつくって背の低い樹木を枯らしながら周囲の植生をのみ込んでいくという。西日本を中心に生物多様性への悪影響が指摘される。

研究グループは2012年、東日本のアメダス145カ所の半径5キロで竹林の有無を調べ、竹の生育に適した環境を調査。さらに気象研究所の大気気候モデルなどを用い、現在から今世紀末にかけて竹が育ちやすいエリアがどのように拡大するか予測した。

東日本の面積に占める竹の生育に適した地域の割合は、1980~2000年は35%と予測したが、今後、特に温暖化対策が取られずに平均気温が、温暖化の起点とされる産業革命前より4度上昇した場合は77~83%まで広がるとした。モウソウチクの生育に適した地域の北限は現在は北海道の函館周辺だが、温暖化が進めば道北端の稚内に達するという。

竹林が拡大すれば、コナラやミズナラなど他の樹木が圧迫され、里山の景観や植物の多様性が損なわれる恐れがある。さらに竹林はイノシシなどのエサ場や隠れ場所になりやすく、竹林の拡大が獣害を増やすリスクもあるという。

研究グループは、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に準じて温暖化を1.5度以下に抑えれば、拡大は面積の46~48%で食い止められると予測。温暖化対策に加え、「タケノコを新たに植えない」「竹林を放置しない」などといった対策を住民と行政が一体となって進めることが重要だとしている。

 モウソウチク 18世紀に中国から移入したとされる。温暖な地域で成長しやすく、日本では西日本を中心に分布。成長が早く、タケノコの状態から1カ月程度で高さ20メートルまで伸びる。タケノコが食用になるほか、生活用品の材料としても活用されてきたが、1970年代以降は輸入タケノコの増加や農家の高齢化などで管理放棄された竹林が増えている。

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