2019年9月16日(月)

バーガー戦国時代再び キング、米主導で大量出店

2017/10/17 23:00
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日本のハンバーガーチェーンが1990年代以来の大量出店競争に突入する。17日には世界2位の米バーガーキングが日本の運営を投資ファンドに任せ出店を拡大すると正式発表。コロワイドもフレッシュネスバーガーを3年で倍増する。各社を強気にさせているのは最大手マクドナルドの復活だが、人口減で市場はむしろ縮小しつつある。

バーガーキングのホセ・シル社長が東京に来たのは16日朝。投資ファンドが設立する日本事業の運営会社の社長に会うためだった。「日本は可能性が大きい市場。頼んだぞ」と伝え、夕方には上海に飛び立ったという。わずかな時間をさいて日本に立ち寄ったのは、伸び悩んできた日本の今後に期待しているからだ。

バーガーキングは世界で1万6千店を運営し、主戦場の米国では世界最大手のマクドナルドとしのぎを削る。だが、日本にはいまだ98店しかない。3年前の鶏肉偽装問題から立ち直り、今期に最高益を見込む日本マクドナルドの復活劇に業を煮やしたのだろう。日本で店舗展開する韓国ロッテリアに三くだり半を突きつけ、韓国で300店を運営する投資ファンドに大量出店を託した。

大量出店を計画するのはバーガーキングだけではない。2016年にフレッシュネスバーガーの運営会社を買収したコロワイドは現在の160店を400店に引き上げる計画。ウェンディーズ・ジャパンに買収されたファーストキッチンは両ブランドのコラボ店を約20店から100店にする。

ただ、各社を触発したマクドナルドの復活は不採算店を絞った結果だ。経営環境が好転したわけではない。そのマクドナルドも来年から出店攻勢に出る構えで10年ぶりに店舗数が増加に転じる。

日本のバーガー業界は71年に1号店を開いたマクドナルドを中心に動いてきた。同社が出店を加速したのは90年代半ばだ。毎年300~500店を出し、2位のモスバーガーも数十店で追随する激しい出店競争が続いた。00年ごろの市場は明らかな供給過剰で、大手から中堅まで大量の不採算店を抱えていた。デフレや健康志向という逆風も吹き、バーガーキングは01年に日本から一時撤退している。

2000年代はバーガーには冬の時代だった。マクドナルドの店舗数は02年の3892店をピークに10年で約千店減った。モスバーガーなどもこの十数年伸び悩み続けている。一斉に出店増にカジを切るのは約20年ぶりだ。背景には「好調なマクドナルドが再び出店を拡大すれば独走を許してしまう」(競合企業)との危機感もある。

ここに来ての大量出店に死角はないのか。ファストフード市場は16年に4年ぶりのプラス成長に転じたものの、勢いは鈍い。少子化で人口が減れば当然、市場は縮む。特に客層が若い世代中心のバーガーは「高齢化で需要が減る」(国内証券)との見方が強い。牛丼などとの需要の食い合いが激しくなるなか、過当競争がこのまま進めば客に飽きられるリスクも高まる。(栗本優)

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