埼玉県杉戸町、地元農産物利用店の認定制度

2017/10/18 2:00
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埼玉県杉戸町は地元農産物を積極的に扱う飲食店や食品加工所などを「杉戸産農産物利用店」として認定する事業を始めた。認定された38店は地元材木店が製作した看板を掲げ、地産地消をPRする。加工・販売も兼ねる6次産業化に取り組める農家は限られるため、商業や観光業者など町ぐるみの連携によって「もうかる農業」の実現と町の活性化を目指す。

認定には飲食店なら年間を通じて地場産品を使った料理を提供すること、食品加工所は地場産品を主な原料とする商品を製造していること、直売所は地場産品を年間100日以上販売する必要がある。地場産品を使っている旨を表示することも求める。認定された店には、地元材木店が杉戸の木である杉の木で製作した認定看板を授与する。

町の広報紙の6月号で呼びかけ、7月末まで参加店を募集。飲食店22店、食品加工所13店、直売所3店を認定した。今月10日に開いた認定式では、杉戸産の旬のブドウやイチジクを使って地元洋菓子店3店が作ったタルトなどのスイーツの試食会を実施した。

町農業振興課は「生産者と事業者のマッチングを進め、杉戸産農産物の付加価値を高めるための第一歩」と説明する。

杉戸町は都市近郊にありながら農業が盛んで、2001年に開業した道の駅「アグリパークゆめすぎと」の農産物直売所には町外から多くの人が訪れる。ただ、農地面積の8割以上を水田が占める上、野菜もキュウリやナスなど伝統的に作られてきたものが多く、同じ野菜が多く並び、売れ残ることもあるという。

認定事業はこうした課題を解決するために始まった。飲食店や食品加工所が安全で新鮮な地元農産物を提供し、消費者のニーズに合った作物の生産を農家に発注することにより「オーダーメード」型の農業を目指す。商業振興と「もうかる農業」の一挙両得につなげようという考えだ。

杉戸町は目立った特徴がない点が悩みの種。それでも16年の日光街道の宿場「杉戸宿」の開宿400年を契機に、町歩きなどの観光策にも力を入れるなど、食と観光の相乗効果による町のブランド力向上に取り組んでいる。

アグリパークゆめすぎとの直売所には出荷農家約150人と土産品などを販売する事業者約30人が登録しており、町は同施設を中心に、関係者の意見交換や連携を強化していく方針。すでに「乾燥フルーツがあれば年間を通してケーキに利用しやすい」などといった声が寄せられているという。

町は同事業で100店の認定を目標に掲げる。農業振興課は「農家の高齢化、担い手不足に歯止めをかけるためにも、地産地消の循環を確立したい」としている。

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