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アベノミクスで変わったか(大機小機)

安倍晋三首相は自らの経済政策の成果を強調し、解散総選挙に臨もうとしている。旧民主党政権時を暗黒の時代と呼び、アベノミクスによって景気は回復したと主張する。これを裏付けるように、内閣府の景気判断でも回復基調が続き、いざなぎ景気超えという声まで出ている。

実態はどうか。旧民主党政権下の3年間の年データ(2010~12年)と、安倍政権下の4年間(13~16年)の経済動向を比較してみよう。

実質国内総生産(GDP)は安倍政権下で4年連続プラス成長だが、年平均1.1%で旧民主党政権下の3年の平均1.8%よりもはるかに低い。消費も同様だ。安倍政権下では年平均0.4%程度の成長であり、それ以前の東日本大震災を挟んだ3年の平均1.3%よりもはるかに低い。

雇用動向はどうか。旧民主党政権下の3年間では雇用者数は30万人ほどしか増えず、正規雇用は50万人も減っている。一方、安倍政権下の4年間では雇用者数は230万人増えた。内訳は非正規がほとんどで約210万人増えている。正規雇用は政権発足当初の2年で57万人も減らしたが、直近2年間で持ち直し、20万人ほど増えている。

GDPがあまり変わらないのに雇用が大幅増なのは、雇用が劣化している証拠だ。本当に労働環境が改善していれば賃金も上がるはずだが、所定内給与額の上昇率は、前政権下の年平均0.4%に対し0.5%で、ほとんど同じだ。

他方、ストックは大きく伸びている。前政権下で年14兆円程度の増加だったマネタリーベースは、安倍政権下では年80兆円規模の増加という異常なペースだ。

株価や地価もこれに呼応している。日経平均株価は2万円を超え、前政権下の2倍以上になった。地価も都市部を中心に大幅上昇が目立つ。家計金融資産も大きく膨らみ、前政権下の年率1.8%の伸びに対し、安倍政権下では年2.9%伸びている。

つまり、異次元金融緩和は、数字上、金融資産を大きく増やしたが、実体経済は伴っていない。国債と貨幣量が異常なペースで積み上がり、株価もバブルの様相だ。金融危機を起こしかねない。投資家も金融面ばかりに目を奪われず、異次元緩和を止めるよう働きかけるべきだ。(魔笛)

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