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真鍋淳・第一三共社長の講評

日々薬に関わる私たちの常識や発想を超える、大胆で斬新なアイデアをお願いしたところ、10代の中学生から70代のシニアまで、幅広い世代から多数のご提案をいただきました。

「病気を見つける薬」は、これまでの薬のイメージを大きく変える、新しい発想だと思います。尿や便、血液などの検査は病院でないとできないため、ついおっくうになって結果的に病気の発見が遅れることがあります。病気を見つける薬を飲むだけで、こうした検査を自宅で1人、気軽にできれば、早期発見につながります。予防医学の観点からも是非、実現したいアイデアです。

「カスタムメイド薬」も、こんな薬があったらいいなと思うアイデアです。現状では、同じ病気なら体格や体質が違っても、同じ薬を投与するしかありません。患者さんがもともと体内に持っている様々な酵素や遺伝子などの情報、腎臓や肝臓などの機能情報、身長体重などの基本情報をデータ化し、自動的に更新できるようにすれば、同じ薬でも微妙にアレンジできます。それぞれの患者さんに合った薬を、その時々の状態に合わせ、適量を投与できます。投薬効果が上がるのは間違いありません。

「生きた薬」も研究者魂を刺激される、斬新なアイデアです。がん細胞だけを食べてくれるウイルスがあれば、体への負担が少なく、効果的な治療につながります。生きた薬は、いわば細菌と人間が共存することで、病気を治すという発想です。

製薬は日々、進化しています。これまで以上に効果が期待できる新薬も続々と登場します。今回選んだ3つのアイデアは、単に患者さんの病気を治すという従来の薬のイメージを超えていますし、さらに新しい発想の治療もこれらから増えていくでしょう。

◇――――――――◇

取材中に真鍋社長から伺った話で、これは実現してほしいと思ったのが、ICチップを搭載した薬です。高齢者は薬の飲み忘れが多いです。きちんと飲んだか、医師や薬剤師、家族は気になりますが、独居老人の場合、確認が難しい。ICチップ搭載薬なら、飲んだことが病院や薬局、遠方の家族にも確認でき、もし忘れているようだったら、電話などで声を掛けることができます。それがそのまま安否確認につながります。高齢化社会にふさわしいアイデアだと思いました。(編集委員 鈴木亮)

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