2019年6月27日(木)

京大・阪大・神戸大、産学連携の取り組み加速
関西経済人・エコノミスト会議3大学シンポ 関西発イノベーションと人材育成

2017/10/17 2:00
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■京大、HD設立し製品化後押し 山極総長

産学連携は組織対組織で進めている。具体的には日立製作所と共同ラボを設置し、京都経済同友会、産業技術総合研究所と連携協定を結んだ。日本電産には先端電気機器工学の寄付講座を設けてもらい、東洋新薬とは連携協定を結んだ。

産学連携の新しい「京大モデル」を始める。関西TLOや京大オリジナルなど3つの会社を束ねるホールディングス(HD)を立ち上げる。これまで大学のシーズ(種)を企業が製品化するのが難しかったが、大学と企業が連結して進めることで実現したい。

京大モデルは「知・人材・資金」の3つの好循環を生み出す。まずネットワークを強化する。大学の無形の知といえるアイデアを産業界のみならず社会に還元する。ほかにもベンチャー企業に投資する京都大学イノベーションキャピタルは14社に投資した。

企業側への要望は2つ。1つはインターンシップが海外に比べて遅れている。3回生だと時期が遅く期間も短い。もっと早い1、2回生から始めて、3週間以上の長期にしてもらいたい。

もう1つは留学生だ。京大の留学生は2200人で増えている。宿舎は足らず就職もおぼつかない。日本企業に就職したい学生は63%いるが、就職率は34%。希望をかなえてあげたい。採用してくれれば日本企業の海外進出や世界展開にも資する。奨学金制度や宿舎、キャリアアップを企業と一緒に取り組みたい。

■阪大、基礎研究から3社と連携 西尾総長

大学では研究費の問題が深刻だ。文部科学省のアンケートによると、国内の上位200校において年間50万円に満たない研究者が過半数。10万円に満たないのも15%いる。主たる原因は運営費交付金の減少だ。知恵を絞り合って取り組んでいる。

産学連携のキーワードは「共創」、いわゆるコ・クリエーションだ。これまでは最後の一歩が企業で解決できず、それを解決に導くのが産学連携だった。ところが社会課題の複雑化や産業構造の変化で、何をすべきなのか、なぜそれをするのか。根源的な課題に直面している。社会と大学が連携して組織と組織で考え答えを見つけたい。

日本初の制度として「協働研究所」を設立した。知と人材、資金の好循環を生む。基礎研究段階からの産学連携として中外製薬、大塚製薬、ダイキン工業と包括連携を結んだ。基礎研究力の強化とイノベーション創出の迅速な対応が可能だ。

パナソニックと人工知能の人材育成を進める実学プログラムを開始した。他企業と他大学の発展に貢献するためオープンにする。若手研究者の育成では外部機関からの資金援助を受けて「高等共創研究院」を設けた。クロスアポイント制度では、女性研究者の活用促進にも力を入れる。

新キャンパス構想も進める。中之島と箕面、東南アジア諸国連合(ASEAN)だ。共創活動を進め、人材育成につなげたい。

■神戸大、文理融合し事業化プロ関与 武田学長

東大や京大、阪大と違ったニュアンスを出そうと、文理融合を狙っている。2016年度に科学技術イノベーション研究科を立ち上げた。

理系で培った科学技術のシーズ(種)を基にベンチャーを立ち上げるには、事業化のところでプロの目が必要になる。神戸大では経営学や法学など社会系の先生も活躍しており、生かさない手はない。科学技術のシーズを社会実装するところまで社会系の先生と一緒になって努力するのが新しい研究科だ。

科学技術アントレプレナーシップという会社も設立し、ここがイノベーション研究科からシーズをもらってベンチャーを設けるといった仕組みも新たにつくった。事業がうまくいけば大学に還元してもらえる。バイオ関係のベンチャーの設立など成果も出てきた。

文理融合ではビッグデータ関連も注目されている。神戸大は「数理・データサイエンスセンター(仮称)」の設立を予定しており、これも社会系、理系、医学系など様々な部局が関与する。

同様の構想を持つシンガポールの南洋理工大学とは昨年末に学術協定に調印するなどした。大学ランキングが急伸している学校で、確かに人材にすごく投資している。学長は世界中を飛び回り、優秀な人材を研究室ごと大学に引っぱったりしていると聞いた。良いかどうかは別にして政府も大学に集中的に投資している。

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