2019年9月15日(日)

比ミンダナオ紛争、過激派リーダー死亡
残党拡散に懸念も

2017/10/16 20:28 (2017/10/16 21:03更新)
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【マニラ=遠藤淳】フィリピン政府は16日、同国南部ミンダナオ島マラウイ市でのイスラム過激派と政府軍の戦闘で、過激派組織「アブサヤフ」のリーダー、イスニロン・ハピロン容疑者らを殺害したと発表した。5月の発生から1000人超が死亡した紛争は一つの節目にさしかかった。政府は近く「紛争終結宣言」を出す構えだが、首謀者を失った戦闘員が他の地域に拡散する懸念もある。

「死亡は紛争の終わりが近いことを示す。数日以内に終結宣言を出せるだろう」。ロレンザーナ国防相は16日昼の記者会見で、ハピロン容疑者と過激派組織「マウテ・グループ」のリーダー、オマール・マウテ容疑者の2人を戦闘で殺害したと発表した。

政府軍は14日に救出した人質からハピロン、オマール両容疑者の居所などの情報を入手。16日早朝に掃討作戦を実施し、遺体から両容疑者の死亡を確認した。アニョ参謀総長によると、ドゥテルテ大統領は「喜ばしい。おめでとうと言いたい」と述べたという。

アブサヤフ、マウテはともに中東の過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う組織。ハピロン容疑者はISから東南アジア方面の指導者の地位を与えられたとされ、米連邦捜査局(FBI)からテロリストとして指名手配されている。マウテのもう1人のリーダーのアブドゥラ・マウテ容疑者は既に死亡したとみられている。

マラウイの紛争は5月23日に軍がハピロン容疑者を拘束しようとしたのを機に、マウテが市庁舎や道路、橋などを占拠して始まった。ドゥテルテ氏はミンダナオ島に戒厳令を布告。軍が空爆を含む掃討作戦に乗り出し、マウテ側と大規模な軍事衝突に発展した。

マウテはISの支配地域の樹立に備えて大量の武器を確保。200人超の住民を人質にとって徹底抗戦を続けた。軍は制圧にてこずり、紛争は長期化。これまでに戦闘員824人を殺害、兵士・警察官162人が犠牲となり、マウテに殺されるなどして市民47人も死亡した。

現在、40人ほどの戦闘員が潜伏し、人質は20人前後いるとみられる。紛争首謀者のオマール容疑者と、フィリピンのイスラム過激派の支柱だったハピロン容疑者が死亡したことで、残る戦闘員が他の地域や国外に逃れるなどしてテロのリスクが拡散する可能性もある。

フィリピンは11月、インドネシア、マレーシアと空軍機を使った合同警備を始める。現在の海上警備から態勢を強化し、過激派が国を越えて移動するのを防ぐ。マウテにはインドネシアなど外国の戦闘員が合流したことが明らかになっている。マラウイの紛争が節目にさしかかるなか、ISの影響力を地域から一掃できるかどうかに焦点が移りそうだ。

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