ヒアリ探知犬、日本に導入 台湾から18年春にも
強い毒を持つ南米原産のヒアリを、鋭い嗅覚で見つけ出す探知犬が来年春にも国内に移入されることが16日までに、ヒアリ対策に取り組む専門家への取材で分かった。
国内の複数の地方自治体が導入を検討しており、ヒアリ対策を行う台湾企業の探知犬を移送して有用性を検証する計画で、来年2月にも検疫手続きが完了する見通し。
環境省によると、探知犬の移入は初めてとみられる。ヒアリは12都府県で22例確認されている(14日時点)。
専門家によると、探知犬は、においでヒアリを感知して「お座り」で知らせる。巣がなくても、集団でいれば見つけられ、被害が拡大している台湾やオーストラリアで育成されている。
移入されるのは、犬の中でも嗅覚が鋭いとされるビーグルで、台湾企業が所有する個体のうちの1、2匹。最終的な契約が済んでいないことや、自治体側の承諾が得られていないため、自治体名は明かせないという。
日本では、ヒアリが持つにおい物質に反応するのかなどを試すほか、実際にヒアリを駆除した場所の周辺で新たな侵入がないかを調べる予定で、有用性が確認されれば正式導入する方針。
仮に国内で巣ができていた場合、来年5~6月ごろには、交尾が活発化して生息域が拡大する可能性があり、その前に実施したい考え。
台湾から犬を輸入する場合、国の規定で狂犬病などの検査を受ける必要があり、台湾での検疫手続きが進められている。
環境省外来生物対策室は「探知犬はコスト面などで課題があり、現時点では国として導入計画はない」としている。〔共同〕