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英マラソン 走り抜いた後の開放感がたまらない
編集委員 吉田誠一

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2017/10/18 6:30
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スポーツが文化として根づいている国でスポーツをする快楽を一度、知ってしまうとクセになる。スポーツがもたらす豊かな空気、そこに流れる時間を味わいたいという思いが募り、海外の大会に足が向く。

かなり遅い「夏休み」をとり、向かったのは英国のヨークシャーマラソン(10月8日、ヨーク)。英国の大会に出るのは4年半ぶりで、フルマラソンとなると2007年のネス湖マラソン以来10年ぶり2度目になる。

拍子抜けするほど簡素

最高気温が15度で絶好のマラソン日和

最高気温が15度で絶好のマラソン日和

英国の大会は簡素だからいい。サービスは最低限に抑えられているが、必要なものはすべてそろっているので何も困らない。

計測チップ付きのゼッケンナンバーは宿泊するホテルに送ってもらった。封筒を開けると、入っていたのはまさにゼッケンナンバーだけ。えっ、これだけ? 大会案内の印刷物も何もない。

確かに、レースガイドは詳細にわたるものを事前にメール配信しているので、他に必要なものはない。ちょっと拍子抜けするが、文句はない。

そもそもマラソン大会というのはランニング愛好家が安全に楽しく走れて、記録を正確に計測してもらえさえすれば十分で、余計なサービスはいらない。

エンターテインメント性を高め、エイドステーションの飲食物で参加者をつり、参加賞でつる日本の大会はやりすぎではないかと思う。

ヨークシャーマラソンはヨーク大学を発着点として、古都ヨークの郊外を巡る。スタートは午前9時半。6時すぎに目を覚ますと、まだ暗い。日の出は7時半すぎで、朝の気温は10度を下回っている。最高気温も15度の予想だ。

先週末から日本も冷え込んでいるが、10月8日の時点では日本と英国の気温差は10度もあった。6日に英国入りしてからは風邪をひかないように気を使った。

スタート地点は飾り気がなく、派手な演出があるわけでもない。日本と比べると、若いランナーが多い気がする。体つきを見ると、老いも若きも鍛え込まれている感じだ。

ヨークのシンボルである大聖堂

ヨークのシンボルである大聖堂

スタートは曇天のもと、半袖シャツにアームウオーマー、短パンにハイソックスといういでたちを選択し、もし暑くなったらアームウオーマーは外すつもりだった(結局、外さずにゴール)。

フルマラソンの参加者は4000人を超えるが、妙に静かで、足音だけが響く。熟練者の集まりということなのだろう、ざわつきがない。

スタートして1マイル(1.6キロ)すぎで、古都をぐるりと囲んでいる城壁をくぐり市街地に入る。ヨークのシンボルである大聖堂はランナーを祝福する鐘(たぶんそういうことなのだろう)を鳴らし続けてくれている。

沿道には観戦者が鈴なりで(その後、観戦者がこれほど多い地点はなかった)、途切れることなく拍手を送ってくれている。まさにスタンディングオベーションだ。体の奥底から力が湧いてくる。

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