2019年6月27日(木)

大学入試改革、学力以外の資質見抜く 阪大や関学など
「評価のプロ」育成や意欲査定システム

2017/10/16 12:30
保存
共有
印刷
その他

大学入試改革を前に、関西の大学が学力試験以外で受験生を選抜する体制づくりを急いでいる。大阪大は米国の専門家を招き「入試のプロ」を育成するセミナーを開催。関西学院大などは高校在学中の取り組みを査定するシステムを開発した。受験生を多面的に評価するノウハウは国内に少なく、先行事例として注目を集めそうだ。

米国から大学入試の専門家を招いて開かれたセミナー(8月、大阪府吹田市の大阪大)

米国から大学入試の専門家を招いて開かれたセミナー(8月、大阪府吹田市の大阪大)

大阪大が今夏に開いたセミナーは「アドミッション・オフィサー」の育成がテーマ。多面的な入試が定着する欧米の大学で入試業務を担う専門職で、受験生の面接や提出書類の審査を行う。米国では数十人体制を敷く有力大もあるが、日本では教員が授業や研究の傍ら入試業務を兼務することが多い。

3日間のセミナーには阪大や他大学の教職員ら40人が参加。米オレゴン大入試部長のジム・ローリンズ特任教授が「面接や論文、リーダーシップなどを数値化し、受験生の資質を評価する」などと手法を説明。参加者は講義のほか、模擬面接のビデオを見て評価基準を話し合う「実技」を行った。

阪大の川嶋太津夫教授は「どういう学生を集めるかで大学の未来が決まる。専門職は中心となるポストだ」と指摘する。今後も教職員らを対象にしたセミナーを重ね、人材育成を急ぐ。

大学入試改革に際して、文部科学省は各大学に個別の学力試験に加え、面接やリポート作成、高校時代の取り組みについての評価を組み入れて合否判定するよう求めており、大学側の対応が課題となっている。同省によると、国立大入学者の約15%(16年度入試)、私立大では半数以上(同)がすでに現行のAO・推薦入試で選抜されているものの、学力や学ぶ意欲の低い学生が増加しているとの指摘もある。

関西学院大を中心にした8大学は、受験生の意欲や主体性を評価するためのシステムを開発した。生徒が高校在学中にスマートフォンやパソコンから専用フォームにアクセスし、部活動や留学などの活動履歴を入力。蓄積されたデータを大学側が評価に利用する。文科省の委託事業で19年度の入試から実際に使用する。9月下旬から10月上旬にかけて他大学向けに説明会を行った。

受験生は現在、活動履歴などを書類で大学に提出するケースが多い。高校、大学の双方にとって書類作成やデータ入力などの負担が大きく、システムの導入で業務効率化も期待される。

在学生の協力を得て選抜の訓練を重ねるのは神戸大。昨年4月設立の専門部署「アドミッションセンター」では、在学生が書いたリポートを練習台に、専任教員が評価方法を検討。19年度入試からはこうした手法による特別入試を導入する方針で、稲垣幸三入試課長は「制度に移行する20年度に先行し、受験生を総合的に評価するノウハウを蓄積したい」と話す。

入試改革を巡っては、「残された時間は少なく、情報収集が急務」(私立大)などとする大学もあり、準備不足への懸念も高まっている。

保存
共有
印刷
その他

大学入試改革とは

2017/10/16 12:30

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。