2017年12月11日(月)

中東やアフリカの起債急増 過去最高に
資源安の財源不足補う インフラ整備も盛ん

中東・アフリカ
2017/10/15 23:30
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 【テルアビブ=飛田雅則】世界の新興国の債券発行額が拡大するなか、中東・アフリカ諸国が一段と存在感を高めている。中東・アフリカは2017年の10月上旬までで、すでに過去最高だった16年通年の461億ドルを上回る729億ドル(約8兆1500億円)を発行した。湾岸諸国は資源安の財源不足を補って新産業を育成し、アフリカもインフラ整備が盛んだ。投資家は高い利回りに注目するが、通貨安で外貨建て債務が膨らむなどリスクもある。

 サウジアラビアは9月、30年債などで125億ドルを調達すると決めた。調査会社ディールロジックによると、サウジの17年の起債額は210億ドル強に達し、16年通年の約170億ドルを超えた。

 原油安で打撃を受けるサウジ経済の財政状況は厳しさを増し、外貨準備を取り崩すまでに追い込まれている。長期化するイエメン内戦の戦費もかさむため、起債による調達で財源不足を補う。ムハンマド皇太子が肝煎りで進める産業多角化など経済改革も巨額の資金を要する。

 サウジも加盟する石油輸出国機構(OPEC)は、ロシアなど非加盟国の協力も得て協調減産を進める。しかし、原油相場は1バレル50ドル台にとどまり、しばらく相場が低迷するとの見方も広がる。

 産油国の財政均衡に必要な原油価格は、サウジで80ドル台、アラブ首長国連邦(UAE)で60ドル台後半と、現在の油価を大きく上回る。産油国は手厚い社会保障を維持するため、起債を増やす。特に17年はサウジ、クウェートなど産油国の巨額起債が目立つ。

 一方、アフリカ諸国もインフラ整備のための資金需要が旺盛だ。国内の金融市場が発展途上のため、これまで資金調達は、主に先進国の政府開発援助(ODA)や対外直接投資に頼ってきた。だが、世界の金融市場ではカネ余りの状態が続き、格付けの低いアフリカ諸国でも債券を発行できる環境が整っている。

 ここ数年、コートジボワール、ガーナ、ザンビアなど起債する国が広がる。西アフリカのセネガルは5月、約10億ドルの国債発行を決めた。インフラ整備に加え、主要産業のピーナツや米など農産物を増産して経済成長を後押しする狙いがある。コートジボワールも6月に起債し注目を集めた。

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