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ダルビッシュが回り道して見つけた答え
スポーツライター 丹羽政善

(1/2ページ)
2017/10/16 6:30
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 “He who is not courageous enough to take risks will accomplish nothing in life.”(リスクを冒す勇気を持たなければ、人生では何も成し遂げられない。)

 リングの上でもリングの外でも、まさにそんな人生を生きたボクシングの元ヘビー級世界王者、ムハマド・アリ氏の言葉である。

 米大リーグ、ドジャースのダルビッシュ有がそのとき、そこまでの覚悟があったのかどうかはわからない。

 「投手コーチも、僕だったらできると思っていると思うので、そう(フォームの修正を)提案してきたと思います。自分も頭で想像したものを体で表現することが得意なので」

 8月中旬にフォームを変更。リリースポイントを大きく下げ、見た目にも激変した。しかし、この時期にここまで大胆な修正はリスクがあるのではないかと聞かれると、そう平然と答えていた。

 ただ、結果が出ない。フォームを改造して臨んだ最初の8月27日の試合こそ5回を投げて6安打、3失点とまとめたが、次の試合では4回0/3を投げて8安打、5失点。3回目の先発では4回1/3を投げて5安打、5失点でマウンドを降りている。

 その過程を知らない人は、たんなる不振と片づけたが、そういう類いのものではない。テークバックを取ったときの左肩の位置を右肩と平行にする試みの中で、リリースポイントを変えた。だが一時期、踏み出す足の位置を意識しなければならないほどインステップがひどくなり、投げるタイミングを変えたり、構えたときにグラブの位置を高くしたりと、試行錯誤を続けた。

「自分はずっと戦っています」

 3回目の先発の後には、図らずもこう胸の内を明かしている。

 「結局、野球だけじゃなくて、人生もそうですけれど、誰だって死ぬまでうまくいくことなんてないので、これも僕の人生の一部。うまくいっていない人生の一部ですから、受け止めています。ただこれで自分があきらめたり、前に進んだりしないことはないと決めている。自分はずっと戦っています」

 「本当に逃げるんじゃなくて、今まで1回もミスがなく、苦しい時期がなかった人はいない。僕も今まで何回もありますから、そういう時期も人生の勉強だな、というふうに思っています」

 今回、きっかけはドジャースのコーチ陣からのアドバイスだった。彼らはあまりの乱れように、口を出さなければよかったと後悔したかもしれない。

 ただおそらく、遅かれ早かれダルビッシュは自らフォーム修正を試みていたはずである。

 今季の調子には波があった。7月21日のレイズ戦では、八回までに12三振を奪うなど、今季最高に近いピッチングをみせたが、その次の登板となった26日のマーリンズ戦では四回途中、9安打、10失点で降板した。

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