国立成育医療研究センターは14日までに、早産予防の目的で使われる子宮収縮抑制剤「塩酸リトドリン」を妊婦に投与すると、生まれた子供が5歳になった時にぜんそくになるリスクが高まるとの研究結果を発表した。
同センターは「塩酸リトドリンは、新生児死亡の大きな要因である早産予防のための有効な薬だが、使用が長期にわたる場合は注意すべきだ」と指摘している。
大矢幸弘アレルギー科医長らのチームは、妊娠時に塩酸リトドリンを投与された94人と、投与されなかった1064人を比較。薬を使用した場合、子供が5歳になった時のぜんそくの有症率が13.8%だったのに対し、使わなかった場合は9.2%と差が出た。
さらに詳しく調べると、投与日数が20日以上と長い場合や累積使用量が1.6グラム以上と多いグループで有症率が高いことが分かった。
ぜんそくは就学後に自然治癒することも多いため、同センターは、さらに長期間、薬とぜんそくの関連を調べる必要があるとしている。〔共同〕